感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
meri
30
『緋文字』で知られるナサニエル・ホーソーンの処女作。正直に言うとそれがなければただのイギリス風の平凡で退屈な作品である。しかし、いくつかの設定は用いたまま、これを約20年後の洗練された緋文字まで昇華させていったと思うとやはりホーソーンはすごい。ダイヤの原石ではないけれど、人間の真理を言い当てるすばらしい観察眼をこの24歳のときにすでに持っていたことにも驚かされる。中間領域、についても思いを馳せた。どうでもいいけど、オースターの鍵のかかった部屋のファンショーはこれがモデル?2016/03/25