内容説明
万葉の歌人山部赤人の「若の浦に潮満ちくれば」の詠作以来、名勝和歌の浦は有数の歌枕として多くの文人・墨客が訪れ、数々の作品にその名をとどめてきた。いま開発の名のもとに、破壊の波にさらされているこの貴重な文化遺産を残し活かすべく、11名の執筆者が、歴史と文学の両面から熱い思いを込めて語りかける。
目次
総論 和歌の浦―歴史と文学
歴史篇(和歌の浦と古代紀伊―木簡を手がかりとして;和歌浦をめぐる行幸とその景観美;中世の参詣記にみる和歌浦;紀州徳川家と和歌の浦;近代の和歌浦)
文学篇(赤人の若の浦讃歌;平安文学の和歌の浦;中世文学の和歌浦―歌枕の世界;近世和歌浦名所の文学とことば;和歌の浦と近代文学)