内容説明
芭蕉が、天和時代に俳諧文学の確立を目指して志向した文学精神は、「侘び」「貧寒」の思想であったと言われているが、本書は、その考えを修正し、当時蕉門一派は漢詩文から「侘び」の詩風と共に艶治な作風を学び、そうした俳風こそ彼等が求めた風狂なる俳諧であると説く。
目次
天和期の蕉風俳諧―『虚栗』の世界
『孤松』をめぐって―『野ざらし紀行』の作風に及ぶ
『続虚栗』考―貞朽期蕉風俳諧の姿勢
言水編『前後園』をめぐって
服部嵐雪伝―家系・出生地・青年時代
服部嵐雪伝考―芭蕉入門から『猿蓑』入集まで
元禄後期の江戸蕉門の様相―享保俳諧史序章
芭蕉の龍門の二句
「わせの香や」句考
杉風筆「芭蕉翁座像図」記



