出版社内容情報
〈アール・ヌーボー〉に
魅了され、〈三越〉の
デザインを手がけた
先駆者の生涯と作品
黒田清輝の薫陶を受け、日本のグラフィック・デザイン界の草分けとなった杉浦非水による自伝を初単行本化! 図版300点超収録!
附:海野弘「解説 黎明期のデザイナー 杉浦非水」
一九〇〇年の巴里博覧会は今さら私が喋々(ちょうちょう)するまでもない、装飾美術において「アール・ヌーボー式」図案による黄金時代であったのである。博覧会の建築からその装飾、家具、装身具、印刷図案に到るまでことごとく「アール・ヌーボー式」にあらざるはなしであった。
私が日本画科を出て、先生から洋画に対する多くの知識を与えられたのであったが、断然図案の方面に進出していこうという心の動いたのは、黒田先生のこのお土産品の到来が最大の動因であったことは事実なのである。それからは毎日のように先生の邸に遊びに行って、到来のこれらの作品を観賞したり模写させてもらったりしていた。(本書より)
【目次】
一 幼少時代
二 中学時代
三 東京美術学校時代(上)
四 東京美術学校時代(下)
五 黒田邸寄寓時代
六 大阪生活時代(上)
七 大阪生活時代(下)
八 中学校教員時代
九 中央新聞社時代
十 三越時代前期
十一 三越時代中期
十二 三越時代後期
十三 外遊時代(略記)
十四 七人社創立時代より現在に至る
解説 黎明期のデザイナー 杉浦非水 海野弘



