出版社内容情報
近代文学の根を掘り起こす旅
日本文学の根幹〈私小説〉──その系譜を歩く
告白と創作の狭間で、作家たちは何を見たのか
尾崎一雄、嘉村礒多、八木義徳、太宰治……。命を削って書いた作家たちの現場を訪ね、彼らが遺した“文学の血脈”をたどる八年の旅。
本書は作家・作品論ではなく、なぜ彼らが小説を書いたのか、どうして小説を書くようになったのかを訪ね歩いた随想である。(中略)草木を見るように自分たちの身近な世界を書く。良くも悪くもそれが逆に「生きる」という大きなテーマを創出しているが「私小説」とはそういうものではないか。(「後書き」より)
【目次】
前書き
第一回 尾崎一雄 梅干しは人生の味。
第二回 嘉村礒多 断ち切れないものは郷愁。
第三回 八木義德 才能は他者に発見してもらう地下資源。
第四回 藤枝静男 桃李もの言わざれど下自ら蹊を成す。
第五回 葛西善蔵 藝術院善巧酒仙居士。
第六回 岡田睦 私小説は作家の死をもって完成する。
第七回 川崎長太郎 自分を材料にして人間を追及する。
第八回 徳田秋聲 憂鬱の虫が体中に巣くっていた。
第九回 古木鐵太郎 書くことによって「負の財産」を「正の財産」に代える。
第十回 三浦哲郎 ぼくは我慢強くてね。
第十一回 野口冨士男 「あんた、前途のある方やないの」。
第十二回 岡松和夫 拘りに向かって書く。
第十三回 田山花袋 人間は理想がなくては駄目です。
第十四回 和田芳恵 老残の力。
第十五回 耕治人 小説家だけにはなるもんじゃない。
第十六回 上林暁 常に不遇でありたい。そして常に開運の願を持ちたい。
第十七回 宇野浩二 僕は、やっぱり、「文学」だね。
第十八回 岩野泡鳴 偉大なる馬鹿。
第十九回 木山捷平 お前は自家で農科をやれ。
第二十回 高井有一 死ぬ者は死に、生きる者は生きる。
第二十一回 坂上弘 文体は思想の容れ物。
第二十二回 辻章 健常とは、一体、何なのだろうか。
第二十三回 太宰治 「死にたい病」はどこからくるのか。
第二十四回 檀一雄 酒はいいぞぉ。ぜひ飲みなさい。
第二十五回 秋山駿 おめぇ、おれにはおれの生きるスタイルがあるんだよ。
第二十六回 安岡章太郎 やっぱり私小説しかないよな。
第二十七回 島崎藤村 苦悩は精神の支柱。
第二十八回 森内俊雄 見えるものを通して、見えないものを見る。
後書き
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- 和書
- 言問ラプソディ



