内容説明
扇ガ谷、十王岩、袖塚、唐糸、飢渇畠、太刀洗、腹切やぐら、化粧坂…鎌倉の地に現存する「八景」は古の戦いと悲哀の歴史を今日まで伝えている。「季刊文科」連載作が待望の単行本化!
目次
扇ガ谷
十王岩
袖塚
唐糸
飢渇畠
太刀洗
腹切やぐら
化粧坂
付録 文学における土地の力 対談 藤沢周×佐藤洋二郎
著者等紹介
藤沢周[フジサワシュウ]
1959年、新潟県生まれ。法政大学文学部卒業。書評紙「図書新聞」の編集者などを経て、93年「ゾーンを左に曲がれ」(『死亡遊戯』と改題)でデビュー。98年『ブエノスアイレス午前零時』で第119回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
97
鎌倉に住まわれている藤沢さんが、そのちょっとした鎌倉(あまり有名でなく人が少ないところ)の場所での話を紡いでくれています。8つの短篇ということで、一つの話が短いのですが、現在と過去にあった歴史的な話がつながるような感じでちょっとした怖さも与えてくれます。印象に残るのは「袖塚」「唐糸」「大刀洗」でした。また作者と佐藤洋二郎さんの「文学における土地の力」という対談も楽しめました。2025/04/14
ダミアン4号
41
屍が山を成す場所=屍の蔵だから“かばねくら”鎌倉…地名の由来がなんともおどろおどろしい。大河ドラマの“鎌倉殿の13人”の影響で源平合戦、後の権力闘争を思い描きいくつかのエピソード(の登場人物)はその時の様子を思い浮かべた。刑場となった由比ガ浜の様子は曹洞宗の開祖“道元禅師”を描いた映画からイメージを膨らませ…鎌倉に通じる切通。実はまだ行った事がない。いくつかは立入を制限されている様ですが訪ねてみたい。同じ様な“幻”を見てしまうんだろうか…天寿を全うできなかった無念がかの地には今も彷徨っているのかも知れない2025/02/27
うきぽんぬ
3
鎌倉へは2度訪れた記憶があるけど、また旅に出たくなったなぁ。ビビりの私でも読めるゾワゾワ感でした。実際に訪れたらそんなこと言ってられなさそうだけど😱2024/11/27
K
2
馴染みのある地名が出てきて興味深かった。人骨ザクザク、屍の蔵だから鎌倉…かぁ。化粧坂、怖くて通れなくなるかもしれないな。2025/02/20
福井 康
1
鎌倉の谷戸を巡りながら、照らされたり、翳ったり、蠢いたりする何かを感じながら時空を跨いで散策出来る作品。この本のおかげで天園ハイキングコースからの真冬の若宮大路を一望することが出来ました。2025/02/23
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