内容説明
トーマス・マン研究に新たな地平をひらく。マン自身が「さまざまな音色を奏でるヴァイオリン」という『ブッデンブローク家の人々』を、ニーチェ著『悲劇の誕生』のパロディとして、芸術論の観点から読み解く画期的論考。
目次
『ブッデンブローク家の人々』の成立
トーマス・マンとフリードリヒ・ニーチェ
トーマス・マンの「基本動機」―アポロン的なものとディオニュソス的なもの
トーマス・ブッデンブローク―「業績の倫理家」のふたつの性格
トーマス・ブッデンブロークの「ショーペンハウアー体験」
トーマス・ブッデンブロークの倫理性
トーマス・ブッデンブロークとフリードリヒ・ニーチェ―「業績の倫理家」の類型学的考察
クリスティアン・ブッデンブローク―ディレッタンティズムとディオニュソス的なものとの関係
ゲルダ・ブッデンブローク…アポロン的な美―神話の女神の表象と感性の優位
ゲルダ・ブッデンブローク―共苦の人として
トーニ・ブッデンブロークとサチュロスの合唱団
女たちとサチュロスの合唱団
ハノー・ブッデンブローク―音楽と『悲劇の誕生』を巡る考察
卜ーマス・マンのパロディ
著者等紹介
別府陽子[ベップヨウコ]
1980年関西学院大学文学部ドイツ文学科卒業。2012年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程ドイツ文学専攻単位取得退学。大阪大谷大学、京都産業大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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