感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
25
大陸から突き出た半島が島国に向いあう位置は朝鮮半島と似ていて、二つの大国のはざまで角逐の舞台となったのも同じだが、朝鮮が早くから民衆語の書き言葉ハングルを持ったのに対して、ブルターニュにはそれがなかったため、話し言葉が流動的で多くの方言を生む。地方語を侮蔑し貶めるフランスの一国言語主義がフランス語を強制し、自治権を奪い、ブルトン人の民族の自覚が風前の灯火となるとき、抵抗する声を上げたのは文学者であり、その第一の仕事はブルトン語の復興であった。今更ながら、フランスという国の横暴と倨傲にうんざりさせられる。2023/10/18
-
- 和書
- ニーベルングの城