感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イツシノコヲリ
3
日光というと近世のイメージがあるが、古代からの山岳信仰の地であり、鎌倉時代には比叡山の関東の拠点として、中央政界を巻き込みながら僧たちがトップの座を争っていたことが分かった。日光の下宮である宇都宮が下野国一宮となり、宇都宮氏の動向や流鏑馬の話は興味深いと感じた。一宮は国司が一番に参拝するという説明は物足りなく、中世一宮制をもうちょっと詳細に検討してほしかった。一般書なので読みやすかった。政治史だけではなく日光の山岳信仰や伽藍についての説明があったのは大変良かった。2023/10/01