感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
7
2025年7月刊。横須賀で米兵との混血児として生まれ、1953年に養子縁組によってアメリカに渡った木川洋子=バーバラという女性が、自らのルーツを辿って来日し、遠い記憶の母と出会うまでを描いたドキュメンタリー。その過程からは戦後の横須賀の語られざる過去が浮き彫りにされ、一人の人間を軸にした戦後史叙述にもなっています。この話はテレビ番組にも取り上げられ話題となりましたが、テレビマンが「いい絵が撮れた」と喜ぶなかで、これを美談としてよいのかと葛藤するところが著者の誠実さと優しさなのだろうと思います。2025/07/11