出版社内容情報
悲しみの記憶が光る魚や生き物となって見える「カナシミ水族館」。四人のスタッフが案内する、過去と向き合う一夜限りの優しい物語。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mayuko Kamiwada
6
平井律は過去に友人に裏切られたことをきっかけに人を信じることができなくなった。高校生になり、クラスメイトのあかりと親しくなるが一定の距離を取り続けていた。あるとき、あかりからの誘いがあったが拒否してしまう。その夜、謎の水族館に律は立っていた。そこは「カナシミ水族館」で律の悲しみを形にした水族館。一人一人に「カナシミ水族館」があるとしたら、私はどのような水族館になっているのだろうと思った。自分の悲しみに触れるのは怖いけれど、見てみたいと思った。2024/04/12
色素薄い系
3
NetGalleyより。不思議な水族館を通して自身の悲しみと向き合っていく中で悲しみの本質を聞かされる部分にハッとさせられるものがありました。2度とは行けない場所だからこそあの場所で得たものはかけがえのないものとして残ると思うと同時に今度はそのチケットを誰に渡す事になるのか、それがさらにまた誰かに渡っていくと考えるとあの水族館は悲しみを具現化させていても優しい気持ちで満ちているのだろうなぁと思う。2024/03/08