出版社内容情報
私たちの仕事はただの掃除じゃない。故人が最後に遺した想いを、私たちは見つけ、遺族に伝える義務がある――。
柊つかさは、残留思念が視える異能の遺品整理士。遺品整理会社「メメント」に勤める彼女が許せないのは故人の想いを見過ごして無駄にすること。
怒り。悲しみ。後悔……遺品から伝わる声なき声を聴き、故人の想いを知った時、彼女は「死」の裏側にある真実へとたどり着く。
故人が伝えられなかった想いを個性豊かな「メメント」の仲間とともに届けるつかさ。だが、そんな彼女にも秘密があるようで……。
内容説明
私たちの仕事はただの掃除じゃない。故人が最後に遺した想いを、私たちは見つけ、遺族に伝える義務がある―。柊つかさは、残留思念が視える異能の遺品整理士。遺品整理会社「メメント」に勤める彼女が許せないのは故人の想いを見過ごして無駄にすること。怒り。悲しみ。後悔…遺品から伝わる声なき声を聴き、故人の想いを知った時、彼女は「死」の裏側にある真実へとたどり着く。故人が伝えられなかった想いを個性豊かな「メメント」の仲間とともに届けるつかさ。だが、そんな彼女にも秘密があるようで…。
著者等紹介
松田詩依[マツダシヨリ]
小説家・漫画原作・シナリオライター。2021年『東京幽世公安局』で、小学館キャラブン!「アニバーサリー賞」を受賞(『東京かくりよ公安局』と改題)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
46
遺品整理士である主人公が仕事で出会う遺品と遺族の思いの物語。この主人公だがとにかく不器用で言葉足らず。故にすぐにクビになってしまうのだが遺品や遺族に対する思いはとても強い。そんな主人公の新しい職場『メメント』。この会社の社長や事務員、組んで仕事をするようになる相方もとても良い人達でそれぞれのキャラクターも最高。私が亡くなった時もぜひ頼みたいくらいだ。そんな仲間と接する事で少しずつ変わっていく主人公を応援したくなる。大切な人との別れとどう向き合い、どう生きてゆくのか。続編をぜひとも書いて欲しい。2024/03/11
Kurara
42
★3 遺品整理会社「メメント」は亡くなった方への配慮があっていい会社ですね。亡くなった人の人生を消してします行為はなかなか片付け仕事とはいかないです。亡くなられた人の思いを伝えることが出来るつかさのような人がいれば報われる人もいるのでしょう。話の切り替わりに*印があったのがこの本に合わない気がして気になりました。 #NetGalleyJP2024/02/08
よっち
35
札幌の遺品整理会社メメントで働く遺品整理士の柊つかさ。残留思念が視える異能を持つ彼女が、心に寄り添う仕事を通して想いを紡いでいく連作短編集。故人が最後に遺した想いを遺族に伝えたいつかさが洲雲と組んで働く中で見出す、亡くなった娘の部屋の整理と依頼した母への想い、孤独死した男性の息子への想い、祖父の遺産相続を巡る孫と叔父・叔母の関係、呪われた家に留まっていた想い、そして洲雲が抱えていた過去の悔恨。そんな想いに真摯に寄り添い、解き明かしてゆくつかさ自身もまた洲雲や笹森に受け入れられてゆくとても温かい物語でした。2024/02/27
まる子
16
遺品整理士の柊つかさ。彼女はある時から「残留思念が視える」ようになったー。亡くなった方の遺品から、故人が「伝えられなかった」想い、遺された人が「知りたいと願う故人の」想い、遺品に触れると視える残留思念。理解されないから、時にそれはトラブルの元にもなる。そんな彼女が札幌の遺品整理会社「メメント」で働き、残留思念が理解されるようになる。札幌の短い夏に起きた、少し涼しくなる奇妙な依頼もあったり。札幌や近郊の地名(定山渓、宮の森、小樽、澄川)が出てくる今作、著者は札幌在住。他の作品も読んでみたい。2024/05/13
ごま麦茶
4
遺品に触れることで、故人の残留思念が視えるつかさ。遺品整理士をしながら、遺族に故人の想いを伝えていくお話。実際にいたら信じられないかもしれないけど、そんな人がいてくれたら、とつい思ってしまいました。その人の考えはその人じゃないと分からないので、亡くなってしまった相手の想いを知れるのはとても羨ましい。(楽しいことばかりでは無いでしょうけど)そして、つかさの身体も心配にはなりますが…。メメントのメンバーも素敵な人ばかりで、こんな職場で働きたい!と思ってしまいました。じんわりとあたたかい気持ちになれた本でした。2024/03/14