出版社内容情報
「今年も三人で花火大会行こうよ」それは他愛もない約束だった――。感動の名手、水瀬さらの贈るひと夏のタイムリープ・ストーリー。
内容説明
大学1年生の早瀬瑞希は、久しぶりに帰郷する。温かく迎えてくれる旧友に囲まれる瑞希だったが、彼には4年間抱き続ける後悔があった。それは幼馴染の夏帆、大好きだった兄・千尋と三人で交わし、果たされなかったある約束…。あの日、自分が素直であれば、と悔やみ続ける瑞希は中学生の頃に先生から聞かされた『とっておきの秘密』を思い出す―。大切な人の笑顔を懸けたタイムスリップの果てに、瑞希が手に入れるものとは!?ちょっとした不思議な出来事が大きな奇跡を引き起こす!この夏、大切な人と読むべき感動のストーリー。
著者等紹介
水瀬さら[ミナセサラ]
『あの日、陽だまりの縁側で、母は笑ってさよならと言った』(アルファポリス)で作家デビュー。『涙の向こう、君と見る桜色』(ポプラ社)でピュアラブ小説大賞“大賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
229
青春の光と影を感じさせてくれるタイムリープSF青春恋愛小説の秀作です。いつも三人で行っていた故郷の町での花火大会。当時は高校生だった主人公の瑞希(みずき)は幼馴染みの同級生・夏帆と大学生の兄・千尋と一緒に行く筈だったが直前で意地を張り止めた事で大きな不幸な事件が起きてしまう。川に落ちた夏帆を助けようとした兄・千尋の死とショックで心を病んだ母。後悔を胸に抱えて久々に帰郷した大学生の瑞希は昔高校の先生から聞いたタイムリープの話を思い出し悲しい過去を変えようと決意する。過去界での希望に満ちた物語が良かったです。2023/09/16
美紀ちゃん
61
過去を変えたい瑞希。池田先生がグッジョブ。先生は一度タイムスリップを経験していて過去を変えることは代償が大きいと警告。過去は変えたらいかん。プールに飛び込む→過去に行ける。同級生の夏帆のことが好きな瑞希は兄の千尋と3人で花火へ行くことにモヤモヤしていた。兄の死により母親が悲しみから逃れるため瑞希のことをいつも千尋と呼ぶ。そのことにもモヤモヤしていた。喜怒哀楽がハッキリしている主人公に共感。応援したくなる。兄に接触しそうになった時にはハラハラした。池田先生には幸せになってもらいたい。ハッピーエンド最高。2023/09/30
punyon
40
ライトノベルと知りながら、タイムリープという大好きな魔法のキーワードに引き付けられて読んだ。瑞希を死んでしまった出来のいい兄千尋と取り違える母。心を病んでいるとわかっていても、自分の存在を母の中から消し去られたみたいで、キツイよなぁこれは。ドヨンと重たい空気で始まった物語。が、「みんなの笑顔を取り戻したい」その一念で闇雲に過去に突入していく瑞希の無鉄砲な優しさに、上手く伝わらない夏帆の幼い恋心に、私の気持ちも彼らと同じ年頃にタイムリープし、シンクロする。新たな未来が見せる光景に目頭熱くし、フフ面白かったよ2023/08/03
よっち
37
久しぶりに実家に帰郷した大学1年生の早瀬瑞希。4年間抱いていた後悔から目を背けていた彼が、大切な人たちの笑顔を懸けたやり直しに挑むタイムスリップ青春小説。幼馴染の夏帆、大好きだった兄・千尋と三人で交わし、果たされなかったある約束。失われた大切な存在、変わり果てた家族、笑顔をなくした幼馴染の姿を目の当たりにして、中学生の頃に先生から聞かされた『とっておきの秘密』を思い出す瑞希。当時の自分が知らなかった状況を知ってゆく中で、後悔を取り戻すために代償を恐れず奔走して引き寄せたその結末がなかなか素敵な物語でした。2023/08/21
まる子
21
過去は変えられない。その過去に苦しむ瑞希、夏帆、周りの人たち。自分が違った行動をしていたら何かが変わっていたかも知れない。そんな事は人生に普通に起こる事だろう。タラレバの話をしたらキリがないけれど、中学生が背負うには重すぎる。水泳部顧問の池田先生に「とっておきの秘密」を教えてもらった瑞希は決行し、そして…。実際にはありえない話ではあるけれど、物語の中で体験するのは面白かった。水瀬さらのボーイミーツガール✨2024/06/05