出版社内容情報
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」様々な人たちの最後の再会を描いた5つのエピソードで紡がれる純度100%の感動小説。
内容説明
人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って会いたい人に会える時間が与えられる。ただし、その中で会えるのは、あなたが死んだことをまだ知らない人だけ。これは、五人が織りなす、最後の再会の物語。
著者等紹介
清水晴木[シミズハルキ]
千葉県出身。東洋大学社会学部卒業。2011年、函館港イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終選考に残る。2015年、『海の見える花屋フルールの事件記~秋山瑠璃は恋をしない~』(TO文庫)で長編小説デビュー。以来、千葉が舞台の小説を上梓し続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
135
インスタで見かけて気になり手にとりました。見た目の装丁とタイトルにあるイメージ通りの作品でした。既にこの世から別れを告げなくてはならない人が『さよならの向こう側』に行ってしまう前に'誰か'に会うコトができるというお話。そんな彼らを案内する「案内人」のキャラがまたナイスな感じで読みやすかったです。連作短編集が好きな方で年齢問わず楽しんでもらえます。読んでいて改めて自分にとって大切な人は誰なのかなと真剣に考えてしまいますね。最後の最後の展開に誰もがココロ打たれるコト、間違いなしだと思います。続編を読まねば。2022/08/11
とん大西
132
〈死んでしまったあなたに、与えられる最後の1日。現世に戻り会いたい人に会ってきてください。でも、会える人はあなたの死を知らない人に限りますが…〉 さよならの向う側でのどかにエスコートする案内人。この世に未練を残した男女が紡ぐ最後の安らぎ、それは束の間の。「ツナグ」とは似て非なる別れがもたらす永遠に涙腺がジワリ。優しいですね、とろけるほどに。流れから最終話の有り様はなんとなく想像がつきましたが、麗しいラストに心地よい余韻が残ります。2021/07/23
machi☺︎︎゛
114
人は亡くなった時最後に1日だけ現世に戻って会いたい人に会える時間が与えられる。ただしその中で会えるのはあなたが死んだことをまだ知らない人だけ。というさよならの向こう側に行ってしまった人たちの本当の最後の1日に焦点をあてた連作短編集。案内人と共に現世に戻る死者はこれからも生きていく人たちの知らなかった気持ちを知り涙する。同じ母親として、幼い子供を残して旅立たないといけないのは辛かった。2022/12/04
モルク
108
亡くなった時1日だけ現世に戻り会いたい人に会える。しかしそれはその人が死んだことをまだ知らない人だけ。最期の再会をする5人とさよならの向こう側にいる案内人の物語。幼い子を残し突然この世を去った母親の話「Heroes」小さな我が子に会い抱き締めたい。でも「死んだことを知らない」という制約には…そうか、こういう手があったか!最終話の案内人の話「長い間」も感動的。でも私が年をとって夫の前にあらわれたらこんな婆さん知らんということになるかも(夫はまだ健在ですが)と感動に水をさしてしまった。どれも心暖まる話だった。2023/12/12
ひこうき雲
88
よくある話かと思ったら、そんなことなかった。─最後に一日だけ現世に戻って、会いたい人に会える時間が与えられる。ただし、その中で会える人は、『あなたが死んだことをまだ知らない人だけ』─えっ死んだことを知らない人だけ!そのとき自分ならどんな選択をするだろう。本当に会いたい人にどうやったら思いを伝えられるだろうか。2022/01/22