出版社内容情報
風光明媚な坂の街・長崎のテレビ局――「長崎東山手放送局」を舞台に、現役アナウンサーが綴るハートウォーミングなサスペンス。
内容説明
12月の夜、長崎。キャスター門脇章太郎は、テレビ生放送中に「そこにいる筈のないひと」が画面に映り込んでいるのを見つけ、絶句する。同じ夜、章太郎に片想い中の若手アナウンサー河合胡桃は、赤いマフラーが似合う謎めいた美少女と夜道で出会う。怪しい男達に追われながら、必死に誰かを探す少女を放っておけず、力を貸すことに。二度と会えない憧れの人。一目だけでも会いたい、約束の人。美しい長崎の街を舞台に、章太郎、胡桃、少女の想いが交錯し、クリスマス・イヴの夜に奇跡を紡いでいく―。色鮮やかな長崎を舞台に繰り広げられるロマンチック・ストーリー!
著者等紹介
村山仁志[ムラヤマヒトシ]
長崎県生まれ。NBC長崎放送ラジオ制作部勤務/アナウンサー。小説家としては2009年に学習研究社の新人賞を受賞して『パラダイスロスト』(三井雷太名義)でデビュー。姉は小説家の村山早紀(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
64
舞台は長崎・阿蘭陀坂テレビ。1人の女子アナが会社を去る場面から始まる。そして16年後…1人の少女を巡る物語。この不思議な少女を守る人、追う人それぞれに関係してくる謎が少しづつ解けていく。心を落ち着かせ、思わず聴き入ってしまう『魔法の声』。声質だけでは無く、その人の想いから出る声は他の人の心にも響くのかもしれない。少女を守り、落ち着かせる『魔法の声』は現在だけでは無く過去からも語り掛けているのだろう。幸せになって欲しいとの『魔法の声』が少女にも届いているかのように。2021/01/03
kei302
56
読み始めは、転生ものなのかと思った。 菊池小夜子、この子は‥‥一体、だれなんだ? 阿蘭陀坂テレビの門脇章太郎と同じく、16年を隔てた“小夜子”のふたりの存在が気になって一気読み。「わたしたちは ふたごだから はなれていても いつも いっしょだよ」。 アキラ、悪いひとじゃなかったんだ...。NetGalleyJP2020/12/23
有
48
長崎阿蘭陀坂テレビを、志半ばで退職した女性アナウンサー。ある人を探して長崎へやってきた女子高生。ふたりの「小夜子」をめぐって、アナウンサー陣とヤクザが長崎の街を駆け回るライトノベル。心の隙間に優しさが降り積もっていくように、人のあたたかさをそこここに感じた。夜景の使いどころでうっかり涙が滲む。夜景はコロナで人がいなくなっても、変わらずそこにあり続ける。彼女の「魔法の声」も受け継がれ、そこにあり続ける。変わらない思いがあること。それを伝えるこの物語の風景が、未来の長崎の街に繋がることを願ってやまない。2021/02/14
anne@灯れ松明の火
32
「魔法の声」、このタイトルがまずいい! 「声」にまつわる作品には惹かれる。そこに「魔法」が付く。一体どんな話だろう? 阿蘭陀坂テレビの看板アナウンサー・門脇は、魔法の声=「信頼させる声」の持ち主。でも、それも、ある女子アナウンサーの魔法の声に惹かれ、努力した賜物だった。後輩アナウンサーの胡桃が出会った不思議な少女は、門脇にとっても、アナウンス部長の優里にとっても、特別な人だった……。クリスマス・イヴの夜、長崎グラバー園を舞台に、不思議な縁が絡み合う、優しく、温かいお話だった。#NetGalleyJP2020/12/19
さくら★もち
29
書影が綺麗で手に取った作品。長崎の地方テレビ局をわずか5年で退職した女子アナと、ある目的のため福岡から長崎へやってきた家出少女。同じ「小夜子」という名を持つふたりにどんな繋がりがあるのか気になって一気読み。正直、心温まるってほどではなかったけど、それぞれの立場で少女を懸命に守ろうとする人たちはみんな真っ直ぐな感じで好感が持てた。少女が追われる場面はハラハラして面白かった。雪の舞う冬の長崎…散歩したい!2022/01/31
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