内容説明
ママがいってしまったって。どこにいってしまったの?だいすきなママを病気で亡くした小さな女の子とパパ。グリーフ(深い悲しみ)と生きることについて、子どもの目線で描かれた絵本。世界14か国で刊行。
著者等紹介
パーキン,ジェイド[パーキン,ジェイド] [Perkin,Jayde]
イラストレーター、作家。イギリスのブリストルを拠点に、世界中の雑誌や書籍などの仕事を手がける。母親を病気で亡くした経験から、グリーフをテーマにしたコミックを制作。数年後、出版社から子ども向けのグリーフの絵本の依頼を受けて、本書が生まれた。多くの子どもたちがこの本を手にし、グリーフが身近な存在として受け入れられるようになってほしいと願っている
おおくぼかおり[オオクボカオリ]
チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)。早稲田大学卒業後、渡米。ラバーン大学大学院修士課程を修了し、CLSの資格を取得後、帰国。CLSとして、子ども病院や市民病院などの勤務をへて、現在、聖路加国際病院にて、病気の子どもやその家族の心のケアにたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
148
悲しみの抱きしめ方がわからない。喪失感は長い時間をかけても消えることはない。なぜ私だけそうなってしまったの。受け入れられない私ではない気持ち。グリーフ(悲嘆)とは、大切な人を亡くしてしまったときの様々な感情のこと。何もしたくない、心を閉ざしてしまう、その体験を経なければならない辛さ。笑顔になれて楽しめる日々がやってくるまでの苦悩はとても想像できない。ママのセーター、読み終えるとその表紙に心が痛む。自身の向き合い方が整理できていないので、この絵本をきっかけにして、グリーフケアの本を読んで学んでみようと思う。2025/05/12
りらこ
15
グリーフケアなる言葉を知らなかったという状態から読んだ。親を亡くした子どもの心のケア。社会的にケアしていくという発想と行動。子ども自身はどうやってその傷と向かい合ったらよいのか。ママのセーターを介して癒していく。でも決して傷ってふさがっているようにみえても薄い膜がちょっとだけ厚みを持つくらいなんですよね。ただその状態を保ち続けながら「悲しみ」をもってあるものとして抱えたまま生きていく。抱えられるようになるというだけだよね、ってのもこの絵本からわかって、共感する。2025/05/20
退院した雨巫女。
7
《図書館-新着》母の死に、家族が向き合う絵本。辛いなあ。切ないなあ。2025/06/01
遠い日
5
ママと死別した後、癒えない悲しみを抱えて日常を生きるパパと娘。定まらない気持ち、海を泳ぎ続けているかのような不安。グリーフケアは周りの人々の気遣いももちろん必要でしょうが、自分自身の僅かずつの変化によるところが大きいと感じます。悲しみはいつまでもなくならない。でも、悲しみと向き合う自分は成長していく。決して簡単に言えることではないけれど、この女の子の心の微妙な動きが愛おしく思えます。ママの死を受け入れていく過程は、この子にさまざまな黙考を促し、それがこれからの「生きること」へと繋がっていくと理解できます。2025/05/07
kokotwin
2
グリーフケアという言葉を知らなかった。親を亡くしてしまった子どもの本当の気持ちは当事者にしかわからないけど、ほんの少しでも親を亡くした人の気持ちを知ることの手助けになりそう。2025/06/01