内容説明
マンション管理員といえば、エントランス横にある小さな事務所にちょこんと座っている年輩男性というイメージをお持ちの人が多いのではないだろうか。たしかに管理員は高齢者と相場が決まっている。若くてもせいぜい60歳くらいだろう。ところで、なぜ老人ばかりなのだろう。ずばり言おう。賃金が安いからである。―本書は13年のあいだ、管理員室から眺めてきたドキュメントである。
目次
まえがき―マンション管理員は、なぜ年輩者ばかりなのか?
第1章 管理員室、本日もクレームあり
第2章 嫌いな理事長、大嫌いなフロントマン
第3章 住民には聞かれたくない話
第4章 マンション管理員の用心と覚悟
あとがき―最後の住み込み管理員
著者等紹介
南野苑生[ミナミノソノオ]
1948年生まれ。大学卒業後、広告代理店に勤務。バブル崩壊後、周囲の反対を押し切り、広告プランニング会社を設立するものの、13年で経営に行き詰まる。紆余曲折を経て、五九歳のとき、妻とともに住み込みのマンション管理員に。以来3つのマンションに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きみたけ
123
最近ハマっている三五館シンシャの「○○日記」シリーズ。著者は、第二の人生で奥さんとともに住み込みのマンション管理員になった南野苑生氏。マンション管理員室から13年間眺めてきた苦労人が書き綴った一冊。冒頭にマンション管理員の薄給について述べていて、夫婦で手取り20万円ほどとのこと。こうなると年金を受給している高齢者などが主な成り手となり、管理員=高齢者の構図がパターンとなる。理事長、フロントマン、マンション住民との人間関係をいかに保つのかがカギで、気苦労が多いとの印象です。2024/02/01
33 kouch
96
外からはわからない生々しい日々の仕事風景が描かれている。やや自虐気味に描かれているが実際にありそうな話ばかり。居住者の日常生活に寄り添う仕事だからこそ色んな事件に出会う。一方で、感謝の声がたくさん届く仕事でもあるなと思った。その人の人間性かわ思いっきり反射する仕事。自分のマンションの管理員さんの見方も変わってしまう。明日からもう少しコミニケーションをとって感謝を伝えてゆきたい。2024/03/28
Ikutan
89
最近はまっている高齢者のお仕事日記シリーズ。今回は、マンションの管理員。以前マンションに住んでいたので、管理員さんにはずいぶんとお世話になった。お喋りな人で、個人情報を漏らしたりするのがちょっと問題だったけれど、綺麗好きで、マメによく色々やって下さる人でした。住み込みではなかったので、こんなに時間外労働はなかったかも。管理組合や管理会社との微妙な立場や様々な住人の間のトラブル。立体駐車場のトラブルやカラス問題。色々大変ですね。今回は奥さまの活躍が際立っていたけれど、正直に書かれている筆者にも好感を持った。2022/08/31
ひさか
87
2020年10月三五館シンシャ刊。住込みのマンション管理員さんの奥様との二人三脚のドキュメント日記。お二人の奮闘と掛け合いが面白く楽しい。うらやましいほどのバディぶりです。2022/12/11
ma-bo
83
熟年男性仕事日記シリーズ第4弾。マンション住まいだし、仕事がまあまあ近しい業界という事もあって管理人さんとも絡む時もあり苦労は良く分かる。住み込み形態は減ってきているが特に大変だろうなとは思う。この作品は奥様も出てくるので深みがあったし文章も読みやすかったかな。権力を持ちすぎる理事長、イエスマンの管理会社担当者、理不尽な住民…2020/11/24