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内容説明
新型コロナウイルスにおける情報など、フェイクニュースがはびこるなか、あなたはウソかマコトか判断できるか?科学者たちの巧みな企みの数々。COVID‐19治験データ/常温核融合/ナノテク・トランジスタ/ヒトES細胞/STAP細胞など…。
目次
第1章 10万人のCOVID‐19治験データ―サージスフィア事件
第2章 常温核融合―大学間の対抗意識から始まった誤りの連鎖
第3章 ナノテク・トランジスタ―史上最大ノ捏造・ベル研事件
第4章 ヒトES細胞―スター科学者の栄光と転落
第5章 STAP細胞―捏造を異物として排斥する「科学の免疫機能」
第6章 118番元素―新元素発見競争でトップを狙ったバークレー研事件
第7章 農業生物学―スターリンが認めたルィセンコ学説
第8章 皮膚移植―サマーリンのぶちネズミ
第9章 旧石器遺跡―暴かれた「神の手」の正体
著者等紹介
小谷太郎[コタニタロウ]
博士(理学)。専門は宇宙物理学と観測装置開発。1967年、東京都生まれ。東京大学理学部物理学科卒。理化学研究所、NASAゴダード宇宙飛行センター、東京工業大学、早稲田大学などの研究員を経て国際基督教大学ほかで教鞭を執るかたわら、科学のおもしろさを一般に広く伝える著作活動を展開している。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
97
代表的な科学の捏造事件を紹介する一冊。ユタの常温核融合/ベル研のナノテク・トランジスタ事件/韓国のヒトES細胞/STAP細胞/118番元素発見など9つの事件が紹介されるが、週刊誌程度の記述で、「なぜウソをつくのか」という深い考察は皆無。そもそも「科学者は平気でウソをつく」というタイトルが、私は気に入らない。息をするように嘘をつく政治家と違い、殆どの科学者は平気でウソなどつかない。9つの捏造事件を星の数で採点するようなふざけた態度を含め、科学者に対する尊敬も愛情も感じられない著者に対し、強い憤りを覚える。2021/08/03
ふみあき
11
パンデミックの渦中で起こった最新の「サージスフィア事件」から、旧石器遺跡の「神の手」まで、国内外の「科学史に燦然と輝く捏造事件」の9つを解説。「常温核融合」事件の顛末を読み、発見者が虚栄心に駆られ嘘をつくのは分かるが、なぜその後、陸続と追試成功の報告が上がるのか不思議だったが、そういう過誤が生まれる心理的メカニズムも分析されていて、得心が行った。なかでも旧ソ連の「ルィセンコ学説」の悲劇は、他とは少し毛色が違う。学術的問題をイデオロギー論争にすり替えるやり口など、現代のポリティカル・コレクトネスを思わせる。2021/05/22
Melody_Nelson
7
以前、ベル研の事件を「論文捏造」という本で読み(面白かった!)、こうした科学の事件に興味を持ったので本書を手に取ったのだが、期待外れ。薄い内容と、ふざけた文体・評価。ただ、隙間時間にサクッと読む分には適しているかも。2022/03/04
hiyu
7
厳密にいえばタイトルとは一部異なる内容ではある。中には随分前の出来事であるが、しっかりと記憶しているものもある。やむを得ないのかもしれないが、飛びついているように見える様子もあるから個人の問題に希求して良いものか正直悩む。2021/10/23
ドラマチックガス
7
タイトルに注意本。「なぜ科学者は平気でウソをつくのか」の考察はされていません。また、主語が大きいのも気がかり。ほとんどの科学者はウソを平気でつかないんだけどな。サブタイトル「捏造と撤回の科学史」だけでよかったと思うんだけど、これでは売れないのか。世知辛い。中身は読みやすく、面白い。先日、大学に入った新聞記者が逮捕され「ネトウヨ」諸氏に大いに批判されていた。旧石器捏造報道が今だったら、「盗撮だ!!」「暴くためなら何をしてもいいのか!!」となったのだろうか。2021/07/31