内容説明
共和政末期のローマ。宴会に押しかけては、偉人、賢人、神々までも酒の肴にして、放言や悪ふざけ、難癖つけに興じているローマ人士たち…予言予兆はあったのか、カエサルは暗殺され、安逸の日々は激変、人々の運命は変転する。
目次
第1部(デマラトス・プロティスの饗宴;ときわ樫の木陰の酒宴)
第2部(三月十五日、儀典会堂、そして、人々のその後;廃園に、蜜蜂の巣箱を置いて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピリコ
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1章2章は倫理・哲学、たまに世界史の授業か?といった感じ、と思ったら、作者は大学の教員らしい。プラトンは著書の中でソクラテスと人物を対話させたが、まさにそのノリ。こう思えば起伏がなくただ蘊蓄をつらつらと登場人物が言うだけの作風にも腑に落ちる。物語ではなく教科書として読めばいいのだ。情報は面白いので大学の授業の教科書として使えばきっと楽しい。3、4章もノリは変わらないのだが、3章のキンナの件や、4章ラスト、妻ユーニアとの未来を約束して戦場に向かうシーンは心にくる。ちゃんと生きて奥さんのところに帰ってほしい。2021/05/01