出版社内容情報
マンガや映画をはじめとするファンタジー作品の多くが、舞台設定の参考としている「中世ヨーロッパ」に関する素朴な疑問に、核にに残る幻想的な風景や中世の芸術作品などの写真を添えて答えるビジュアルブックです。
西ローマ帝国が滅ぶ476年から、百年戦争が終結しビザンツ帝国が滅ぶ1453年までのおよそ1000年間、「力がすべて」で、争いが絶えなかった混沌として中世ヨーロッパを一問一答形式で解き明かします。
内容説明
「力がすべて」の混沌とした時代に、人はなぜ惹かれるのか?西ローマ帝国滅亡後、およそ1000年にわたる激動のヨーロッパ史。
目次
ヨーロッパの中世って、いつから始まるの?
中世の雰囲気が残る城や街って、いまでもある?
中世ヨーロッパには、どんな身分があったの?
皇帝と教皇、どっちが偉かったの?
諸侯って、どんな人たち?
カール大帝の最大の功績は?
騎士は、どんな戦闘訓練をしていたの?
騎士道を、どうやって学んでいたの?
上流階級では、どんな女性がモテたの?
美しい城がたくさんあるけれど、戦争のときだけ使われていたの?
城には、どんな人が暮らしていたの?
城は、どうやって攻めたの?
聖剣って、実在するの?
重い甲冑を着た騎士は身軽に動けたの?
十字軍運動が始まるきっかけに何があったの?
百年戦争って、100年間ずっと戦っていたの?
傭兵隊長の仕事を教えて!
紋章には、どんな意味が込められているの?
中世の農村は、どうやって形作られたの?
中世の領主は、どうやって収入を得ていたの?〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
neimu
38
綺麗だが、読んだという実感がしみじみとするかというと? まあ、老眼には優しい大きい文字、少ない文章、眺める読書に近い編集。ビジュアルが主流で読むのが苦手な若い世代の意識に沿っているのかも。立ち止まって見るのではなく、歩きながら眺める感じの読書。図鑑ともまた異なる。ただ、クローズアップされた図は見やすいので有難い。お値段も良心的。Q&A形式なのも、読み易さへの工夫なのかな。問いを立てる教育を意識しているのか、問いを立てられない、読み取れない人への配慮なのか。歴史と美術が一気に学べる雰囲気は気に入った。2025/02/20
ちい
6
中世とはいつからいつまで?そんな初歩的なことから説明してくれる。中世において、影響力が大きかった教会。神の代理人である教皇からの破門の重さと言ったら、まるでラピュタの世界の「バルス!」の如し。破門されたら皇帝でも国王でも一巻の終わり。歴史の授業でカノッサの屈辱を習ったが、こんなにも破門が辛いものだとは思わなかった。そして、歴史の一幕を下ろすことになったペストの流行。絶大な力を持っていた教会の権威が失墜し、死生観がガラッと変わる出来事だったとわかる。死を身近に感じるなか「死を忘れるな(メメント・モリ)」の2025/04/26
このみ
5
中世ヨーロッパという、冒険と空想の物語の舞台である暗黒時代を、ざっくりと説明してくれるところがよい。城と城壁、教会、騎士、甲冑、剣、紋章、十字軍、百年戦争、錬金術、黒死病。それぞれの章で「重い甲冑を着た騎士は身軽に動けたの?」といった質疑応答がなされ飽きさせない。そして「貴婦人と一角獣」のタペストリーはじめ資料も豊富。たくさんの美しい写真に旅情もかき立てられる。「ドイツのネルトリンゲンは『進撃の巨人』の舞台のモデルとして有名です」とあるし、若い人向けにファンタジー小説などへの理解を深める意義もあるのかも。2025/07/01
takakomama
4
世界でいちばん素敵な教室シリーズ。Q&A方式で中世ヨーロッパの歴史や建築、身分や暮らし、宗教などを解説。図版や写真が綺麗です。中世は476年に西ローマ帝国が滅亡してから、1453年までの約1000年。長いですね。 2025/03/10
Chi___z
3
写真がいっぱい。全編Q&A方式でサラッと読める。ただ体系立った説明ではないので、中世をいちから理解するには他の本を併用したほうがよい。最初のとっかかりには最高の一冊。文字が小さいのが、少し残念。2025/04/30