内容説明
「九州咽喉の地」に築かれた名城の全容。毛利元就に始まり、細川忠興、そして小笠原氏と時の統治者たちが築き上げた小倉城と城下町。全国でも珍しい「唐造り」の天守、広大な「惣構」を有する城郭は名城と讃えられた。幕末には自焼の憂き目に遭い、明治以降は軍用地となりながら、昭和三十四年に天守が再建。最新の調査・研究成果をもとに四五〇年の歴史を辿る。
目次
第1部 小倉城の歴史(小倉城の位置と構造;戦国時代の小倉城―毛利勝信時代まで;江戸時代の小倉城1―細川氏の時代;江戸時代の小倉城2―小笠原氏の時代;近代の小倉城;現代の小倉城)
第2部 城内の変遷(天守;本丸・北ノ丸・松ノ丸;二の丸;新馬場・御花畑;三ノ丸;御下屋敷・御下台所ほか;堀・石垣・土塁・門・櫓)
第3部 城下町の変遷(西曲輪;東曲輪;帯曲輪;近代・現代の城下町)
第4部 城下町と交通(口門・道・橋;船溜)
感想・レビュー
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chang_ume
7
小倉城・城下町について総括的報告。文献・考古・地理分野から多角的に分析し、各地域の同種報告のなかでも出色の出来。なんと全長約8kmもの外郭線(惣構)で囲まれた城下町の内部に関して、海岸地形と段丘地形からなる古地理環境、中世小倉津を包含する城下町構造、主郭部における本丸と北の丸の二元的構成(なんと堀障子も検出)、武家地・町人地・寺社地の構造(東曲輪のみ正方形街区)、さらに近代以降の改変など、多岐にわたる内容を丁寧に解説する。現市街地に残る土塁遺構など、現地巡検時に役立つ情報もうれしい。良書だった。2024/05/26
kaz
0
図書館の内容紹介は『毛利元就、細川忠興、そして小笠原氏と時の統治者たちが築き上げた小倉城と城下町。全国でも珍しい「唐造り」の天守、広大な「惣構」を有する城郭は名城と讃えられた。最新の調査・研究成果をもとに450年の歴史を辿る』。なかなか立派な石垣であるのが嬉しい。 2020/10/18
Ryuji Saito
0
2020年8冊目。 2020/07/20