内容説明
祖父が“8月9日”を語らなかった理由は何だったのか。家族が負った心の傷とともに生きていくこととは―。抑えた筆致からにじむやさしさ。生命や家族愛への讃歌が静かに響く。「命」をテーマとする四つの短編小説。表題作のほか、妻の流産、兄の死、視覚障害をもつ妹との心の交流などを通じ、それぞれの家族による生命の連帯を暗示する三作品を収録。家族へのやさしさに包まれる短編の名手によるアンソロジー。
著者等紹介
寺井順一[テライジュンイチ]
1954年佐賀県生まれ。早稲田大学卒業後、大蔵省(財務省)に勤務。現在、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員、長崎ウエスレヤン大学経済政策学科兼任講師。2013年小説集『夜明けのオーパス・ワン』で長崎県文学特別賞、2015年同『君のむこうを過ぎてゆく雨』で長崎新聞社賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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