感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuri
6
「はじめに」にあったように、富山だけに限らず多くの地方に当てはまる話。もちろん地域によって少しずつ差はあるだろうが、ローカル情報網や独特の繋がりなど似てると思うところはたくさん。様々な年代の方の話が書かれており、大変さに共感するところもあれば、そんな考え方もあるんだと驚くところも。では自分はどうだったのか、これからどうしていきたいのかと考えた時に答えは出ない。「消滅可能性都市」と思うと他人事ではないのだから。女性だけでなく社会に課せられた課題、興味深く読了。2025/08/02
鳩羽
4
若年層女性の流出が多いため人口減少が懸念される消滅可能性都市。該当する自治体は、若年層女性、つまり子供を産める年代の女の流出を防ぐために対策を打ち出しているが、これといって効果が得られていないようである。地方女子である作家山内マリコと、社会学者上野千鶴子の対談をもとに、地方に住む女たちのライフヒストリーが行われ、本となったもの。世代によって、その人の個性によって異なる人生の切り口が興味深い。その困難さの方向が違うというか。家族的な貧しさを感じる家もあまりない。選択肢があり選べることが自由。タイトルどおり。2025/08/16
FuSa
4
地方女子と一言で言っても、場所や世代、個人の性質によってさまざまだというのが正直な印象。とはいえおしなべて50代より上の人の体験談はなかなかタフ。2025/08/02
せり鍋
3
一度も地元を出たことがなく、なんとなく鬱々としている人は、複数人のインタビューにより地元を出るといった勇気が出るかもしれないといった本。事例の中にはこれは女性でなくても当てはまりそうというものもある。 なんというか民俗学的で、結果を求めてこの本を読むのは目的が違うかも。2025/08/12
ナオミ
3
富山県にルーツがある者なら深く唸らざるを得ない一冊。世代と環境で女の人生は大きく変わる。仕組みと構造の問題だから、他人の人生を幸せか不幸かの物差しで勝手にジャッジしないようにしなきゃ!と自分に言い聞かせながら読んだけど、あまりにもハードな役割を割り当てられたライフヒストリーが自分の母を想起させ、悔しく絶望感に苛まれた。対談で上野先生が引用していたがアマルティア・センが「能力とは資源プラス選択肢の集合だ」と定義した。選択肢があるってことが自由なのだ。富山から飛び出して帰らなくてもいいし帰ってもいいのだ。2025/07/21