感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
にたいも
12
地方の若年女性が流出超なのは、女性が犠牲にならない社会風土を作らなければ解決しないという提言。/上野さんの解説にははぁと唸り、山内さんの実体験にすげーわかるすげーわかると頷く。上野千鶴子さんと山内マリコさんの執筆分量は全体の3分の1程度なのだが、3章の上野さんと山内さんの対談が、2章の13件の様々な世代の女性たちの半生聞き書きの事例分析になっていて、それが大変興味深い。上野ゼミ学生「どんな選択をしたかが娘に影響を与えるのではなくて、その選択を母親自身が納得してやったかどうかが娘に大きな影響を与える」2025/09/06
Yuri
8
「はじめに」にあったように、富山だけに限らず多くの地方に当てはまる話。もちろん地域によって少しずつ差はあるだろうが、ローカル情報網や独特の繋がりなど似てると思うところはたくさん。様々な年代の方の話が書かれており、大変さに共感するところもあれば、そんな考え方もあるんだと驚くところも。では自分はどうだったのか、これからどうしていきたいのかと考えた時に答えは出ない。「消滅可能性都市」と思うと他人事ではないのだから。女性だけでなく社会に課せられた課題、興味深く読了。2025/08/02
おさと
7
「ゆくゆくは徳島に帰って仕事をするために上京したんです」との言葉に「徳島って、帰りたいって思えるほど素敵なところなんだー」と思ったことがきっかけで、縁もゆかりもない土地へ引っ越してきた私。ともみさんの「流出を止めるより、戻ってきたいと思わせる施策を」に納得しかない。2025/09/21
ナオミ
6
富山県にルーツがある者なら深く唸らざるを得ない一冊。世代と環境で女の人生は大きく変わる。仕組みと構造の問題だから、他人の人生を幸せか不幸かの物差しで勝手にジャッジしないようにしなきゃ!と自分に言い聞かせながら読んだけど、あまりにもハードな役割を割り当てられたライフヒストリーが自分の母を想起させ、悔しく絶望感に苛まれた。対談で上野先生が引用していたがアマルティア・センが「能力とは資源プラス選択肢の集合だ」と定義した。選択肢があるってことが自由なのだ。富山から飛び出して帰らなくてもいいし帰ってもいいのだ。2025/07/21
ソイラテ
5
「家父長制は女の共犯なしでは存続しない」自分も50年かかってたどり着いた。地獄みたいな構造2025/09/04