内容説明
王朝と“武者ノ世”の怨霊たち。中世の人々は何を恐れたのか。
目次
1 政争と怨霊(怨霊と王権;「三平」以後;「安和の変」の裏事情;「三道」の時代;源氏物語と王朝の物性)
2 怨霊と内乱(敗者の怨霊;保元の乱と怨霊たち;崇徳院と魔道;内乱期、跋扈する怨霊たち)
3 修羅の群像(悪七兵衛景清の虚実―敗者の意地;建礼門院と安徳天皇;斎藤別当実盛と幽霊;佐藤継信;忠信―欧州の鎮魂;曾我兄弟―「報恩」と「闘諍」の世界)
附録 特別鼎談「修羅を演ずる―能・謡曲の世界」友枝昭世(喜多流能楽師・人間国宝)中村邦生(喜多流能楽師)司会・関幸彦
著者等紹介
関幸彦[セキユキヒコ]
歴史学者(日本中世史)。元日本大学文理学部教授。1952年生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。学習院大学助手、文部省初等中等教育局教科書調査官、鶴見大学文学部教授を経て、2008年日本大学文理学部史学科教授、2023年に退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
14
平安から源平期までの怨霊となった敗者を描く。能や謡曲での彼らの姿も描く。そんなに目新しいものはなかったけど、面白かった。成親が懐妊中の徳子に祟ったというか、妊娠ってホントどうにもならないし、一番弱るし、一番命獲られ易いし、仕方ないよなあ…。恨みようがないもの。大河の清盛の餓死しかけた成親が蝉を口に持ってきそうなシーンが何年経っても軽くトラウマのままです。2025/02/23
ポンカン
0
敗者となった者が怨霊として歴史の表舞台に復活する…。古代から中世への転換が、単なる日本通史の立場からだけでなく、怨霊たちの視点からも語られており、大変興味深く、中世人の怨霊観がうかがえました。「武者ノ世」到来の前夜譚たる院政期の清和源氏が、王朝の守護者としての立ち位置にあったことは、関先生の別のご著書でも触れていたと思いますが、『源威集』の内容含め、改めて勉強になりました。附録も豪華な談話で、能の世界がより楽しめるような気がしました(私は途中で寝てしまいますが笑)。2024/12/05
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