内容説明
良い文章ってなんだろう?生きづらさの表現と向き合ってきた文学者が「書くこと」について綴ったエッセイ。
目次
はじめに とはいえ、を重ねながら綴る
急須のお茶を飲みきるまでに
何者かでありすぎて、自分以外ではない
押し込められた声を聞くことができるか
やさしい言葉
書いた気がしない本
憧れる言葉
羨ましい読まれ方
遠くの場所で言葉が重なる
伸ばせたかもしれない翼を語る
時々こうして言葉にしておく
感情の海を泳ぐ
生きられた世界に潜る
ずれた言葉の隙間を埋める
心の在処を表現する
世界を殴る
何かするとは、何かすること
自分がやるしかない証明作業
言葉にこまる日のこと
子どもと生きる
「仕方がない」が積もった場所で
「分かってもらえない」を分かち合いたい
下駄を履いて余力を削る
文章と晩ごはん
著者等紹介
荒井裕樹[アライユウキ]
1980年東京都生まれ。二松學舎大学文学部教授。文筆家。専門は障害者文化論、日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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0sanada0
2
すべて包み込む凪のようなエッセイ。絶賛子育て中の私は子育てについての言葉が深く沁みた(「時々こうして言葉にしておく」など)。でも一番好きだったのは、「どうやら人は、自分に注がれてこなかった言葉を他人に注ぐことはできないらしい。与えてもらえなかった言葉を後から手に入れるために、人は本を読むのだろう。」(p.163)かな。荒井さんの文章はとても誠実だと感じる。2024/10/29
Go Extreme
2
急須のお茶を飲みきるまでに 何者かでありすぎて、自分以外ではない 押し込められた声を聞くことができるか 書いた気がしない本 憧れる言葉 羨ましい読まれ方 遠くの場所で言葉が重なる 時々こうして言葉にしておく 感情の海を泳ぐ 生きられた世界に潜る ずれた言葉の隙間を埋める 心の在処を表現する 世界を殴る 何かするとは、何かすること 自分がやるしかない証明作業 言葉にこまる日のこと 子どもと生きる 「仕方がない」が積もった場所で 「分かってもらえない」を分かち合いたい 下駄を履いて余力を削る 文章と晩ごはん2024/10/04
miyuta_idol
0
自分自身が持つ加害性のようなものを常に自覚している、それも、ただ謙虚に清廉にいる人としてではなく、そういう自覚があった上でも常に新たな自分の不適切な言動を反省し、変わっていく、その愚直な姿勢に好感を持つ。2025/04/20
スージー
0
不器用だけれど正直で、誠実な著者の人柄が表れている文章だった。ひとことで言うと、信頼できる。装丁と本のサイズ感も相まって素敵でした。2025/04/13
ナオ
0
丁寧で誠実、そして私の好きな文章でした。綴らずにいられない、そんな衝動を大事にしたいと思いました。52025/02/14