内容説明
アインシュタイン、夏目漱石、SDGs、ウイルス、縄文、AI、ブラックホール…すべてつなげると、自然と調和した新しい生き方が見えてくる!「トヨタ白川郷自然學校」設立校長が思考する不安のない幸せな未来。
目次
第1章 私たち人類の現在を問い直そう
第2章 生き延びた生物からパラダイムシフトを学ぶ
第3章 日本を新しい視点で見つめる
第4章 日本の近代化を超えた自立を
第5章 現代科学が切り開く新しい常識
第6章 脳と森から学ぶ日本の未来
著者等紹介
稲本正[イナモトタダシ]
1945年富山県生まれ。69年立教大学理学部物理科卒業、その後物理科に勤務。74年岐阜県・高山市に移住、76年岐阜県・清見村にオークヴィレッジを移転。87年環境総合プロデュース会社オークハーツ設立。94年『森の形 森の仕事』で毎日出版文化賞受賞。『森の惑星プロジェクト』開始。トヨタ白川郷自然學校設立校長。東京農大客員教授。(一社)日本産天然精油連絡協議会専務理事。岐阜県教育委員
小林廉宜[コバヤシヤスノブ]
福岡県生まれ。「世界の森」「未来に残したい風景」などをテーマに、希少な自然や文化を撮り続けている。シルクロード横断、フェルメール全作品の撮影など幅広く活動。旅先でのエピソードなどを記したエッセイも手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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booklight
31
稲森さんの一旦のまとめ本?吉本隆明の『共同幻想論』まででてくるとは思わなかった。稲森さんの面白さは、梵我一如と哲学的なことをいいつつ、物理学の助手をやって、そこから木工の工芸を始めてオークヴィレッジを作ってしまう、実戦だけでもなく、理論だけでもないところ。今回その守備範囲を今回はさらに広げて、進化論、環境論、明治維新、科学論などから、日本の未来を語っていく。宇宙全体も素粒子も、生物も、電子信号でつながっている。ならばこの摂理を理解し未来を考える、という方向性なのだろうが、ちょっと最後がよくわからなかった。2023/03/19
tamami
28
宇宙の始原からAIの未来まで、非常に壮大なスケールで展開する自然史の本。著者が多くの人々と共に研究してきた人と自然との関わり方を振り返りながら、理科系と文化系の融合の大切さを説き、著者が考える、日本での人と自然のあるべき姿を具体的に追っていく。地球史や現代の生物相の解説など、随所に著者独自の考えの展開があり、示唆されることも多く、共生の考え方には大いに共感を覚える。術語の羅列の観がある後半は流し読み。一点、黒曜石の原産地として糸魚川を挙げているのは明確な間違い。他の部分が相殺されてしまうのがとても残念。2020/09/06
イカカイガカ
3
植物、科学、医学、歴史、哲学、教育、文化、人体、進化、AI、宇宙、原子、量子力学、様々な観点から、自然と人間との「共生進化」について論じている。本書にある通り、古くから自然豊かな環境を有してきた日本は、その分野においてとても重要なポジションの国であるし、その役割を担える潜在力がある。第一次木の文明(=縄文時代)、第二次木の文明(=聖徳太子の時代~明治の日露戦争ごろ)があり、今は第三次木の文明を構築すべきという提言は興味深かった。2021/07/01
山根清志
3
著者は理学部(物理科)の学位を持っているようだが、科学教育の訓練を受けたとは思えな文章である。 科学は不変の真理ではなく、現状反証されていない暫定的真実にすぎない。したがって、科学的に証明されたからといって普遍的に正しいわけではない。枝葉末節だが、炭素年代測定法の説明も間違っているし、電子レンジの原理の説明も違っている。カズオイシグロ氏はイギリス人である。 ノーベル賞崇拝者のようであり、ノーベル賞受賞者を多く輩出するのが優れた教育であると思っているようである。2021/02/23
jackbdc
3
内容的には拡散傾向で色々なところに話が飛ぶのだが、それはそれで楽しめた。著者は森林保護・活用の実践者であり自然への愛がほとばしっている。結論としては、人間は自然の一部である、自然と共に暮らし利他の精神をもって平和に暮らすべしという東洋的で分かりやすい主張だと思う。アロマ押しや権威主義的傾向は全く気にならなかった。印象に残った点2つ、1.恐竜型文明への警告:暴力・巨大化・技術依存の現代へのアナロジー。2.キャベツのSOS信号:青虫に食べられると青虫を食べてくれる蜂を呼び寄せるための香りを出すと知り驚く。2021/01/28
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