内容説明
武術家として高名な老師範から、数十年にわたる修行の過程を克明に綴った記録を託された深層心理学者。その神秘の行体験をどう読み解き、そこに何を見るのか。
目次
第1章 念波観音力
第2章 心法
第3章 謫仙
第4章 移し身
第5章 乱拍子
第6章 山伏問答
第7章 霊異相承
第8章 知命
第9章 活殺自在
著者等紹介
老松克博[オイマツカツヒロ]
1984年、鳥取大学医学部卒業。1992~95年、チューリッヒ・ユング研究所留学。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。ユング派分析家。博士(医学)。いくつかの武道・武術を嗜む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
181
或る武道の達人の境位をユング心理学の立場から考察していく本。その達人は体が自然に動く…これを著者は自我の外から来る鬼神力とよび、ユングのいうコンプレックスの働きと見なしている。一方、達人の受けた霊的啓示の重要性を指摘しつつ、その啓示の内容を、祖先の罪業によって〝陰〟の鬼神力が〝陽〟の観音力から分断されたものと捉えている。ここでの武術修行は、分断された鬼神力と観音力の統合という意味を持つらしい。4章からの修行実践の話は体験しないと頭ではわからない。とはいえ、日常生活や行動を起こす際の指針には、十分なり得る。2024/02/22