- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 文化・民俗
- > 文化・民俗事情(日本)
内容説明
消えゆくふるさとへの思い。岡山県中国山地、山あいの小さな集落―。戦中・戦後、家族が辿った人生と、高度経済成長期以前の生活を、ドイツ文学者が鎮魂の書として綴った貴重な記録。
目次
第1章 集落の風景(山あいの村;十二の家物語;奥山の水事情;家の造り)
第2章 四季のいとなみと行事(季節ごとの農作業;自給自足の豊かな食卓;節目の行事)
第3章 日常の楽しみと苦労(子どもの遊び;家計と家;家族の病気と治療;日々の暮らし)
終章 消えゆくふるさと(ふるさとの八十年;母の手まり(貞安/節子))
著者等紹介
小谷裕幸[コダニヒロユキ]
1940年岡山県生まれ。大阪大学文学部卒業、同大学院修士課程修了(独文学)、鹿児島大学名誉教授、独語・独文学、児童文化論専攻。ゲーテの文学、マックス・フリッシュの文学、スイス社会の研究を経て、現在は説話の研究に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
30
1940年に岡山県新見市の指野集落に生まれた著者の生活回想誌。まだ電気が来る前の記憶、家族との生活、近隣集落の状況を含め、植物・動物・風物、日々使う民具、または冠婚葬祭、子どもたちの遊びや労働状況を克明に語っています。著者の家は水に恵まれていたため、生活は大変ではなかったとのことですが、町との高低差は300m!このおかげで著者の兄弟みなが長生の後亡くなるまで健康に過ごした由。父親の早世で皆が教育も充分受けられない中で、著者は大学教授になり、看護婦や歌人になった方たちもいて、学びの偉大さに感じ入りました。2024/09/10
DEE
6
筆者が子供だった昭和20年頃の、筆者が育った岡山県のある集落の伝記。自然の中でほとんど自給自足の暮らしを送る住人たち。金以外は豊かな生活だったという言葉が印象的。現在も住人はいるそうだが、限界集落を通り越して自然に還るのも時間の問題だとか。当時の雰囲気を肌に感じられる。2024/04/19
May
4
鹿児島大名誉教授が、生まれ育った山村(岡山県新見市上熊谷)での昭和20年代の生活を記録した一次資料です。著者は私の母に近い世代であることもあり、見知った、もしくは想像できる内容が主でしたが、一俵担いで山を越えて出荷できたら一人前など驚く内容もあり、楽しめました。・・・・と、様々な面を記録しているのですが、一地域、一家族の記憶なので、これだけでは一般化することはできませんが、こうした記録が残ることは大事でしょう。ただ、まさに一次資料ですので、普通の人には用のない書籍といっていいかもしれないですね。2025/02/23
takao
1
ふむ2024/10/04