出版社内容情報
西洋古代・中世唯一の女性歴史家による、ビザンツ歴史文学の最高傑作を初邦訳。父ビザンツ皇帝アレクシオス1世の波乱に満ちた生涯を克明に描く。詳細な訳註と索引付き。
内容説明
東西文明の十字路に位置し、数百年の長きにわたって栄華を誇ったビザンツ帝国も、11世紀末~12世紀初期にかけて衰亡の危機に見舞われていた。国境の彼方から、ノルマン人、トルコ人、北方遊牧民など、さまざまな異民族が押し寄せる脅威にさらされ、さらに第一回十字軍との遭遇。国内では反乱・陰謀・いくつもの異端が渦巻き、帝国は「瀕死の状態」にあった。これらの難局に立ち向かい、帝国を滅亡の危機から救い出した父皇帝アレクシオス1世の姿を克明に描いた、ビザンツ歴史文学の最高傑作の、初の日本語版。詳細な訳註と索引を付す。
目次
ミハイル七世ドゥカス、ニキフォロス三世ヴォタニアティス治世下における若き将軍アレクシオスの三つの手柄
南イタリアの征服者ノルマン人ロベルトス=ギスカルドス(ロベール=ギスカール)のギリシア遠征の準備
ニキフォロス=ヴォタニアティス帝に対するコムニノス一族の反乱
アレクシオスの皇帝選出、皇帝歓呼を受ける
一〇八一年四月一日、アレクシオス軍、帝都を掌握
アレクシオスならびにイリニ=ドゥケナ両陛下の人となりと容姿
帝都に対する反乱軍兵士の非人道的行為に対するアレクシオス帝の贖罪
ディラヒオンの戦い(第一次ノルマン戦争(一〇八一~八五年)の開始)
ロベルトス=ギスカルドス率いるノルマン軍の勝利
アレクシオス、二日二夜をかけてアルバニアの山岳地帯を駆け抜けオフリドへ落ち延びる〔ほか〕
著者等紹介
コムニニ,アンナ[コムニニ,アンナ] [Κομνην´η,’′Αννα]
1083年12月2日~1154/55年頃没。ビザンツ皇帝アレクシオス1世コムニノス(在位1081~1118年)の息女。1097年頃、名門の軍事貴族出のニキフォロス=ヴリエニオスと結婚。アレクシオスの死後、アンナの弟ヨアニスが即位。アンナは夫ヴリエニオスを担いでクーデターを企てるも失敗。以後、母の建てた修道院に入り、父アレクシオス1世の治績を綴った畢生の大著『アレクシアス』を著した。西洋古代~中世を通じて唯一の女性歴史家とされる
相野洋三[アイノヨウゾウ]
1941年、神戸市に生まれる。1964年、関西学院大学文学部史学科卒業、1969年、同大学大学院文学研究科博士課程(西洋史学)単位取得後退学。2002年、兵庫県立高等学校定年退職。2003年、「ビザンツ帝国海軍組織の研究」により博士の学位(歴史学)取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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