内容説明
国民国家のなかの福祉制度にかかわるものから、首長制社会での儀礼的再分配まで、世界のさまざまな国や地域における再分配の実践の様態を具体的に捉え返すことによって、停滞気味だった再分配研究の活性化を目指す。
目次
序論 再分配を通じた集団の生成―手続きと複数性に注目して
第1部 再分配をめぐる政治(誰がボタンを押すのか―フィンランドの高齢者向け通報システムにみる要求/提供のダイナミクス;再分配制度としての介護保険法とコミュニティの再編―沖縄・離島社会を事例に;再分配のアナロジー―インドにおける生モラルと国家制度の重なり合い)
第2部 集団の生成(メラネシア人類学における「再分配」の境界―「集団」と「戦争」をめぐって;執拗な共食―ガーナ北部における穀物の不足と同居家族の「世帯」の営み;再分配を通じた村人のつながりと差異化―ミクロネシア・ポーンペイ島における首長制と住民の帰属意識;12月のプランカシ―ガーナ南部において集める/集まるということ)
著者等紹介
浜田明範[ハマダアキノリ]
博士(社会学)(一橋大学)。関西大学社会学部准教授。専門は医療人類学、アフリカ地域研究。ガーナ南部のカカオ農村の人々を対象に、医療政策や国際医療支援プロジェクトや経済活動としてのパーティーについて、生権力論や装置論を用いて研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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