内容説明
アリス・ヘルツ=ゾマーは1903年に、チェコのプラハの裕福なユダヤ人の家庭に生を享けた。音楽の才能に恵まれ、第二次世界大戦が勃発するまでは、コンサート・ピアニストとしてデビューを飾り、将来を嘱望されていた。ナチス・ドイツによりチェコが保護領とされると、まず母が、そして自身も夫と幼い息子とともにテレジエンシュタットの強制収容所に送られるが、持ち前の楽天主義と、何よりも音楽に支えられて、過酷な収容所生活を生き延びる(母と夫はついに生還できなかった)。未曾有の悪と憎悪に人生を蹂躙されたにもかかわらず、“憎悪は憎悪を生むだけ”“怒りや憎しみではなく、赦しを”をモットーに、ほほえみとユーモアを絶やすことなく、110歳まで生きたアリス・ヘルツ=ゾマーの、感動的な旅路の物語。
目次
アリスとフランツ・カフカ
寛容なる心
ジャガイモの皮をむきながら
ピアノのレッスン
新たな始まり
ブリキのスプーン
もう歳だなんて言わない
音楽はわたしたちの食べ物
ヒトラーがユダヤ人に与えた町
スナップ写真
ガラスの檻の男
きつい言葉は一切なし
初めての飛行
ピアノ教師アリス
友だちの輪
著者等紹介
ステシンジャー,キャロライン[ステシンジャー,キャロライン] [Stoessinger,Caroline]
ピアニスト。国際的なテレビ番組や公共イベントのために脚本を手がけ、制作。ジョン・ジェイ・カレッジの芸術研究員と教授、ニューベリー・オペラハウスでニューベリー室内楽団の芸術監督、モーツァルト・アカデミーの理事長を務めている
谷口由美子[タニグチユミコ]
翻訳家。上智大学外国語学部英語学科卒業。アメリカに留学後、児童文学の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
mick
Arte