出版社内容情報
人生の「不条理」を思索する最良の一冊!
アメリカを代表する哲学者トマス・ネーゲル(1937―)から「人生は可笑しい」という問いを受け取った著者。可笑しい=absordという言葉はカミュが『シーシュポスの神話』の中で「不条理」と訳して流行らせたものだ。著者が研究してきたキルケゴールもこの言葉を使っている。人生の虚しさ、無意味さなどの側面が強調されそうだが、ネーゲルの解釈「(人生は)可笑しい」という観点から、著者がネーゲル哲学と対話する。「生きるか死ぬかの問い」が代表作であるネーゲルと、人生の意味や死をめぐって多方面からの対話の実践報告が本書に集約される。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あに太
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図書館の新着図書にあったので借りてみた。副題が「ネーゲルとの対話」とありネーゲルを知ってる方が理解度が上がる。自分はネーゲルの名前は知ってるが、その著書は読んだことがないので、本書をネーゲルの紹介として読んだ。本題の「人生は可笑しい」が意味するところは、「無意味であるにもかかわらず、その無意味な人生を相手に、人間は、主観的には大真面目になって取り組み、右往左往し、一喜一憂し続けるしかない、それが人生だ」。今ここという主観性と、どこでもないところという客観性の往復運動。これがネーゲル哲学の核のようだ。2025/11/10
Go Extreme
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人生は可笑しい、と気づく瞬間 不条理の哲学に照らされた日常 笑いと実存が交差するところ シーシュポスの神話に重ねる私たち 死とユーモアが隣り合う感覚 不安と微笑みが同居する心 世界とのズレから生まれるまなざし まなざしの衝突が問いを生む 当たり前の崩壊から始まる思索 孤独な意識が世界を見つめ返す 死をめぐる対話から生が見える 問い続ける生が沈黙を揺さぶる 真面目さへの反抗として笑う 境界線上に立ち続ける決意 選べない運命を引き受ける それでも笑うことをやめない2025/12/06




