異説・逸話の天皇列伝―成務・仁徳から大正・昭和まで

原田 実【著】

さくら舎（2023/04発売）

• サイズ 46判／ページ数 288p／高さ 19cm
• 商品コード 9784865813814
• NDC分類 288.41
• Cコード C0021

出版社内容情報

波瀾万丈すぎる天皇像からわかるこの国の形

高天原の神の直系という神話の時代から現代まで連綿と続く「天皇」。天と地を祭祀によって結ぶ機能を持つ天皇をめぐっては、個人としての逸話やこの世界と異界とを介在する中間者としての伝説などがさまざまに生まれてきた。ウロコや尻尾を持つ異形の天皇、改革に挑んだ天皇、怨霊になった天皇、正史に貶められた天皇、和歌の守護者としての天皇、天皇の権威を利用した陰謀論……『古事記』『日本書紀』をはじめ、古今の文献に描かれた天皇35人37代の物語から、時代とともに変化して生き抜いてきた天皇の姿と日本の歴史が見えてくる。

・仁徳天皇(16代)＝多くの女性と浮名を流す
・雄略天皇(21代)＝『日本書紀』では「大悪天皇」
・陽成天皇(57代)＝暴君伝説の裏側
・宇多天皇(59代)＝日本史上最初の猫マニア
・花山天皇(65代)＝好色な愚帝の実像
・後桜町天皇(117代)＝教養あふれる最後の女帝
・昭和天皇(124代)＝天津教事件と元東宮女官長の予言

内容説明

怨霊になった天皇、教養あふれる女帝、好色・暗愚帝の真相、日本史上初の猫マニア、天皇の権威を利用した陰謀論…。古今の文献エピソードが伝える驚きの天皇像！

目次

第１章　天皇前史
第２章　天皇の誕生―「倭王」から「天皇」へ
第３章　正史に描かれた天皇―正史はウソもつく
第４章　和歌の守護者―政治から文化へ
第５章　乱世を生き抜く天皇
第６章　権威者として生きる天皇
第７章　変貌する天皇

著者等紹介

原田実［ハラダミノル］
１９６１年、広島県に生まれる。龍谷大学卒業。八幡書店、昭和薬科大学助手を経て、歴史研究家。と学会会員。ＡＳＩＯＳ（超常現象の懐疑的調査のための会）会員。主要テーマは偽史・偽書（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[六点]

遙か古代の神武天皇(実在非実在は問わない)から始まり、飛鳥、奈良、平安から南北朝にかけての濃い天皇たちのエピソード、陰謀論の登場人物や、詐欺の元ネタにされてしまった昭和帝に至る、天皇たちのエピソード集である。門外漢にとっては「誰ですか、その天皇さんは？」と、言うお方が、皇室のあり方にとって重要なエポックであったり、古代の誇大妄想である古史古伝の重要登場人物であったりするわけである。中世神話では神武天皇には鱗と尻尾があることになっていた。妄想と事実の霧の中の風景に圧倒されると良いと思うことであることだよ。

2023/04/17

[agtk]

日本の正史が六国史で終わり、勅撰和歌集がそれにかわったという理由に納得させられた。古代から現代まで、さまざまな天皇のエピソードが紹介されている。知っているエピソードも多いが、あらためて読むとやっぱりおもしろい。大正天皇については、あまりいい印象がなかったが、今回で見方が変わった。大正天皇だけでなく、その時々の政権の思惑に左右されたまま、それが定説のように天皇の印象を決めてしまっている。だからこそこういう本が読めることはありがたい。

2023/05/05

[イワハシ]

歴代天皇らのエピソードを集めたもの。正史の裏事情から伝説、陰謀論まで豊富に詰め込まれている。大正天皇の話はちょっと虚を突かれた感があってよかった。これを起点にいろいろ漁ってみるのも面白いだろうな

2023/12/09

[いちじく]

サブタイトルにあった成務って何した人だっけ？から始まって名前を聞いたことすらなかった長慶が青森のキリストの墓など現代にも繋がるエピソード持ちだったとは。いつの時代も偽書だのオカルト好きな人はいるもんだ。大正天皇の数々のマイナスの逸話は時の権力者の都合によって生み出さられたものの可能性が高いとのことだが、歴史を振り返ってみると陽成や花山など同じような例は枚挙にいとまがなく納得しかない。神功、持統、斉明、後桜町と、とかく女性陣の強さよ。

2023/06/08