声の文化と文字の文化 (普及版)

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声の文化と文字の文化 (普及版)

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  • サイズ 46判/ページ数 416p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784865784626
  • NDC分類 801.03
  • Cコード C0030

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

1.3manen

42
文学literatureという術語は、書かれたもの、を意味するラテン語literatura。アルファベット文字を意味するliteraに由来。書かれたものを包摂するが、文学に匹敵する術語(概念)がない(31ページ)。中東のスークやバザールで物を買うのは、ことばによる手練手管、慇懃なる決闘、機智の応酬で、声としてのことばの格闘技における作戦行動(146ページ)。初期の印刷文化で、本を読むことは、一人の人間が集団のなかで他の人びとに読んで聴かせる社会活動(268ページ)。わたしは一人ないし複数の他人をもって2026/03/11

まいこ

15
文字を読むようになったことで社会も、個人の内面も、また物語のスタイルも変化していった。声の文化では、言葉が発する端から消えてしまうし、事実を積み重ねる分析的な思考もできなかった。三段論法とか理解できるのは、文字の文化の人だけなのだ。また、現代の物語の多くは、クライマックスに向かって緊張が高まり大団円に至るプロットがあるが、声の文化では先に核心が述べられ、あとに背景や詳細が延々と繰り返し定型句で続くという、「まるでビジネスマンの報告のように」。朗読を聞くスタイルだと、聞き逃し対策も必要だったのかも?2026/03/07

さえもん

4
ドストエフスキーの作品では、よく主人公である作家が社交界のような場で自分の作品を朗読する場面が描かれている。なんでこんなことするんだろうと思ってたが、まだまだ声の文化の影響が残っている証左なんだと思った。突っ込みどころもある本だが、声の文化と文字の文化の心性の違いという着眼点は革新的なものだと思う。文字ができてからの人類の急速な変化は、科学ができてからの変化と同等以上のものがある。 小林秀雄の、パイドロスにおいてソクラテスを介しての「文字を獲得したことはそんなに良かったことなのか」との発言が甦ってくる。2025/12/13

simon

1
書くことや印刷技術が人間の内面を変化させてきたという観点から、声の文化の独自性と、文字の文化への変化を論じている。 文字の文化がまだ十分に内面化されていない社会では文字の権威が比較的低かったし、十分に発達した印刷技術によって完全にことばが「もの」となるまでは、声の文化は残存していた。しかし、声の文化は完全に死んだわけではない。 現代では動画の発達によって、逆に文字の軽視と音声への回帰が進んでいるような気もする。2026/01/18

MKN

1
何かの本の参考文献に記載があり図書館で借りた。 ・研究という行為自体が書くことと関連強いので、言語研究も書き言葉に依存したものになっていた、という事実に非常に驚いた。生まれた時から書き言葉の世界にいると気づけないことが多く語られており、面白い視点だな~と思った。 ・議論で論理が全く通用しなかったり、詭弁が横行したりするのは、論理的思考が文字の文化以降の産物であることを考えると仕方ないことに思えてきた。 ・オデュッセイアが頻繁に引用されていて興味を持ったので、ノーランの映画が公開されるまでに読みたい。

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