内容説明
かつて、“アイヌ新聞”を自ら作ったアイヌ青年がいた。反骨のジャーナリスト、初の評伝。
目次
第1章 幼い日々の面影と世相
第2章 波乱の“アイヌ新聞記者”
第3章 燃えさかる『アイヌ新聞』
第4章 新聞記者の成果と誤算
第5章 「天皇とアイヌ」の真意
第6章 見果てぬ夢を抱いて
感想・レビュー
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ワッピー
34
アイヌ民族の誇りと自立を訴え続けたアイヌの新聞記者【高橋真】の生涯。アイヌであることを理由に幾多の扉を閉ざされてきた真は、新聞記者となって差別と戦い始め、自ら「アイヌ新聞」を創刊して、差別の構造糾弾や同胞の意識向上を訴え続けるも、支持よりも批判を多く受けた。失意の晩年であったが、それでもアイヌの若人を激励してまわっていたとのこと。真と面識のある著者によって活動の全容が示された意義は大きい。本人年譜およびアイヌ新聞社説・知里真志保小伝に加えて、アイヌ関連年表もあり、近代からのアイヌ問題を俯瞰できる良書。⇒2021/05/31