内容説明
米占領下の広島を舞台に、芸術と政治との相克に苦しみながら、理想社会の実現へと疾走する、「原爆詩人」峠三吉(1917~53)らを描いた戯曲『河』は、改稿を重ねながら、60~70年代に全国各都市で上演された。初演後55年を経て復活上演され、新しい世代の出演者・観客にも大きな感銘を残した本作は、再び「核」の危機が迫る今、我々に何を訴えるのか?
目次
1 土屋清とはどのような人物か(土屋清―昭和の闇と光を生きた劇作家;『河』と私(一九七二年)
峠三吉のこと、『河』への思い―講演原稿メモから(一九七四年)
尊大なリアリズムから土深いリアリズムへ―私にとっての西リ演史(一九八四年))
2 『河』とはなにか(『河』とはなにか、その軌跡;歴史の進路へ凛と響け―土屋清の青春;土屋さんの怒鳴り声(一九七八年)
土屋清の頑固なナィーブ(一九八八年)
土屋清の闇の深さについて(一九八八年)
“風のように、炎のように”生きた原爆詩人・峠三吉の姿を通して(二〇一五年))
3 土屋清の語り部たち―『河』を再生・生成すること(土屋清の時代と『河』の変遷、そして今;今、私の中に甦る『河』―労働者として生きた時代と重ねて;『河』京都公演に思う―半世紀の時をこえて;『河』、そのこころはどう引き継がれたのか―占領期のヒロシマを振り返って;『河』と詩画人・四國五郎;『河』、もうひとつの流れ―峠三吉とともに歩んだ人びと;今日も流れる「川」と『河』―被爆のサブカル化に抗して;林幸子の「ヒロシマの空」にこめられたもの)
4 『河』上演台本(二〇一七年)
著者等紹介
土屋時子[ツチヤトキコ]
1948年生。1971年4月~2009年3月、広島女学院大学図書館司書として勤務しながら、劇団活動。多数の舞台に出演。2008年、同館に「栗原貞子記念平和文庫」を開設。2013年より広島文学資料保全の会・代表として、現在に至る
八木良広[ヤギヨシヒロ]
1979年生。愛媛大学教育学部助教。社会学・オーラルヒストリー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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