内容説明
各界の碩学29人が豊かな読書体験を披瀝。人生の指針としての書。人々の生き方が多様な現代、読書もまた多様である。さまざまな分野の第一人者、また第一線を退いてなお大きな存在感を示し続ける知の達人は、人生の指針としてどんな本を読んできたのか。各界の碩学がそれぞれにとっての名著を紹介する学芸総合誌『環』誌大好評連載企画!
目次
市村真一(経済学者)
一海知義(中国文学者)
猪木武徳(経済学者)
上田敏(リハビリテーション医学者)
上田正昭(古代日本・東アジア史家)
大沢文夫(生物物理学者)
岡田英弘(歴史家)
粕谷一希(評論家)
川満信一(詩人、元沖縄タイムス記者)
河野信子(女性史家)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
108
藤原書店の季刊誌に連載された名著探訪を書籍化したもので29名の識者が108冊の本を推薦されています。とくに私好みの本が羅列されていて松岡正剛さんとはまた異なった感じで読んでいて楽しくなります。既読のものも結構あるのですが半分以上が未読で今後読んでいこうという気になりました。2019/11/24
壱萬参仟縁
28
トインビー『試練に立つ文明』で、市村真一京大名誉教授によると、文明は、外に自然環境と人的条件が整い、内に創造的な指導者が出現するという二条件により出現し、気候や環境の変化、戦争、民族移動、人口増減等の挑戦に応戦して成長する。しかし応戦に失敗すれば弱体化し、衰退に向かう。指導者は保身から権力を強化し、その結果大衆プロレタリアートの反抗で文明は解体する(トインビーの定式、25頁)。福沢諭吉『文明論之概略』で、猪木武徳阪大名誉教授によると、自主独立で他人の恩威に依存しないことなど、「惑溺」を使って国体論を2018/03/09