内容説明
“人間中心”ではなく、“いのち”を中心にした社会へ。“生命知”の探究者の全貌!DNA研究が進展した1970年代、細胞、DNAという共通の切り口で、「人間」を含む生命を総合的に問う「生命科学」の出発にかかわった中村桂子。次第に“科学と日常との断絶”に悩んだが、DNAの総体「ゲノム」を手がかりに、歴史の中ですべての生きものを捉える新しい知「生命誌」を創出。「科学」をやさしく語り、アートとして美しく表現する思想は、どのように生まれたか?
目次
第1部 暮らしのなかから科学する(科学がつむぐ風景;日常のなかの科学 ほか)
第2部 いのち愛づる科学(細胞から見えてくる「生」と「性」―生命誌からのメッセージ;「虫愛づる姫君」は日本の女性科学者―絵本『いのち愛づる姫』 ほか)
第3部 生命科学から生命誌へ(生命科学から生命誌の誕生へ―遺伝子からゲノムへの移行で見えてくるもの;ゲノムが語る歴史―生命誌が語ること ほか)
第4部 「ライフステージ社会」の提唱(「ライフステージ社会」の提唱;“幕間”「質素」好む社会を―ムヒカ前大統領に学ぶ ほか)
著者等紹介
中村桂子[ナカムラケイコ]
1936年東京生まれ。JT生命誌研究館館長。理学博士。東京大学大学院生物化学科修了、江上不二夫(生化学)、渡辺格(分子生物学)らに学ぶ。国立予防衛生研究所をへて、1971年三菱化成生命科学研究所に入り(のち人間・自然研究部長)、日本における「生命科学」創出に関わる。しだいに、生物を分子の機械と捉え、その構造と機能の解明に終始することになった生命科学に疑問を持ち、ゲノムを基本に生きものの歴史と関係を読み解く新しい知「生命誌」を創出。その構想を1993年、JT生命誌研究館として実現、副館長に就任(~2002年3月)。早稲田大学人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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