出版社内容情報
将来の“大器”たちへ
「『道』は『自ずから然り』を手本とする」
「最上の善とは水のようなものである」
老子の言葉は現代に知られているものも多いが、その思想を象徴するものとして、大器晩成(大いなる容器はできあがるのがおそい)という言葉がある。この言葉は、ありのままに生き、しなやかに学び、無理なく育てることの重要性を今日によみがえらせている。老子の思想の人間のあり方と人間形成の仕方についての大らかな視点に学び、教えること、学ぶこと、育てることの根源的意味を問いかける。
【著者紹介】
●上野浩道(うえの・ひろみち)1940年奈良市生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、教育学博士。東京藝術大学名誉教授、お茶の水女子大学名誉教授。主な著書に『芸術教育運動の研究』(風間書房、1981年、日本児童文学学会奨励賞)、『知育とは何か――近代日本の教育思想をめぐって』(勁草書房、1990年)、『日本の美術教育思想』(風間書房、2007年)、『美術のちから教育のかたち――“表現”と“自己形成”の哲学』(春秋社、2007年)、『形成的表現から平和へ――美術教育私論』(東京藝術大学出版会、2010年)など、訳書に張鍾元『老子の思想』(講談社、1987)、ナンシー・R・スミス『子供の絵の美学』(勁草書房、1990年)、『ハーバート・リードの美学』(共訳、玉川大学出版部、2006年)などがある。
内容説明
「『道』は『自ずから然り』を手本とする」「最上の善とは水のようなものである」。老子の言葉は現代に知られているものも多いが、その思想を象徴するものとして、大器晩成(大いなる容器はできあがるのがおそい)という言葉がある。老子の思想の人間のあり方と人間形成の仕方についての大らかな視点に学び、教えること、学ぶこと、育てることの根源的意味を問いかける。
目次
老子の言葉
第1章 素と朴を守る(大いなるもの;無垢と経験のあいだ;素朴という宝もの)
第2章 急所を見て(無理はしない;心がくつろぐ;教えないように教え)
第3章 学びほぐす(しなやかな心;もう一度わからなくなる;明るさが和らぐ)
第4章 心地よく(気の流れる関係;心地のいい環境;水のようなふるまい)
第5章 大器は晩成なり(早熟の時代に;早熟の罠 晩熟の夢;晩熟を見直す)
著者等紹介
上野浩道[ウエノヒロミチ]
1940(昭和15)年、奈良市生まれ。お茶の水女子大学名誉教授、東京藝術大学名誉教授。専門は教育哲学、芸術教育学。東京大学大学院修了。教育学博士。花園大学講師、フルブライト上級研究員(オレゴン大学准教授)、お茶の水女子大学教授、附属中学校長、文教育学部長、東京藝術大学教授、附属図書館長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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