出版社内容情報
日本的気候風土に適した「集約農業」はどのようにして生まれ発展してきたか?
日本では、人口に比べて狭隘な国土という条件の下、灌漑設備を前提とし、小農家族経営による土地節約的、肥料や労働といった他要素多投型の日本型集約農業が江戸時代中・後期に成立し、他のアジア諸国を大きく上回る生産性を確立した。明治政府の勧農政策の要ともなったこの「集約農業」の生成と明治期の発展のメカニズムを示し、近代日本農業の「発展の論理」を明らかにする。
【著者紹介】
●穐本洋哉(あきもと・ひろや)東洋大学経済学部教授。日本経済史、日本農業史。『西欧世界の勃興』(共訳)など。