出版社内容情報
小津映画を書物と同様の手法で精密に分析、代表作を縦横に読み解く。ディテールに込められた映像美学の核心、そして戦争と死の影。小津は細部に宿る
小津映画を書物と同様の手法で、精密に分析することを主張する著者が小津の代表作を縦横に読み解く。精読することではじめて明らかになるディテールに込められた小津の映像美学の核心、そして戦争と死の影。著者は全国小津安二郎ネットワーク会長であり、小津における地名を徹底調査、小津の中国戦跡調査も実施。
?死の影の下に
1▼『父ありき』――死者の集合性、あるいは「無」へ 2▼『宗方姉妹』――ドン・キホーテの運命、あるいは激発する暴力 3▼『麦秋』――死者の眼、そして麦穂の鎮魂 4▼『東京物語』――死の影の下に
?小津安二郎と戦争
5▼「敗けてよかった」再考――小津安二郎の戦争・序説 6▼「敗けてよかった」三考――小津安二郎「海ゆかば」と「軍艦マーチ」の間 7▼小津安二郎の見つめた戦争(講演)
中澤 千磨夫[ナカザワ チマオ]
1952年、北海道札幌市生まれ。
北海道大学大学院文学研究科(国文学専攻)博士後期課程単位取得満期退学。北海道大学文学部助手を経て、北海道武蔵女子短期大学教授。在職中。全国小津安二郎ネットワーク会長。
著書に『荷風と踊る』(三一書房)、『小津安二郎・生きる哀しみ』(PHP新書)など。
内容説明
小津は細部に宿る。映画もまた文学テキストである。精読することではじめて明らかになるディテールに込められた小津の映像美学の核心、そして戦争と死の影。
目次
1 死の影の下に(『父ありき』―死者の集合性、あるいは「無」へ;『宗方姉妹』―ドン・キホーテの運命、あるいは激発する暴力;『麦秋』―死者の眼、そして麦穂の鎮魂;『東京物語』―死の影の下に)
2 小津安二郎と戦争(「敗けてよかった」再考―小津安二郎の戦争・序説;「敗けてよかった」三考―小津安二郎「海ゆかば」と「軍艦マーチ」のあいだ;小津安二郎の見つめた戦争)
著者等紹介
中澤千磨夫[ナカザワチマオ]
1952年、札幌市生まれ。北海道大学水産学部卒業。同大学大学院文学研究科(国文学)博士後期課程単位取得満期退学。北海道大学文学部助手などを経て、北海道武蔵女子短期大学教授。全国小津安二郎ネットワーク会長。児童文学ファンタジー大賞選考委員。専門は日本近代文学、映像詩学、現代文化論、考現学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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