感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン・シャーリーこと寺
67
三島由紀夫名言集は本書の他に新潮新書のものと宝島社のものがあるが、一番チープな雰囲気の本書が一番良い三島由紀夫入門のような気がする。このチープさが時に三島の生きた昭和の本を思わせるのだ。セレクトされた言葉も良く、自決の際の『檄文』の全文がグラビアページに収録されている。チープだ。私はたまに思うのだが、三島由紀夫が死ぬまでは、幕末は終わっていなかったのではなかろうか?。志士的な精神は昭和に絶滅してしまったもののひとつだろう。しかしこの檄文は再び戦争の陰がちらつく今、現代的になってきた。忘れていた宿題である。2017/09/13
ばりぼー
47
三島由紀夫の全創作活動から選りすぐった箴言集。「魂を振起するには行動しなければならない。動かない澱んだ魂は、実は魂ではない。(毎日新聞)」「やたらと人に弱味をさらけ出す人間のことを、私は躊躇なく『無礼者』と呼ぶ。(不道徳教育講座)」「日本のような国には、愛国心などという言葉はそぐわない。『大和魂』で十分ではないか。(朝日新聞)」「嫉妬こそ生きる力だ。(盗賊)」などなど。卒論で三島を選び、ノートに引用して書き溜めたことを思い出します。「檄文」の全文や三島を虜にしたグイド・レーニ作「聖セバスチャン」も掲載。2016/04/25
馨
32
三島由紀夫のインタビューや対談、作品からの引用集。三島が生前に残した言葉は何度読んでも凄い。昭和の時代に現代社会のこと(弾道ミサイルのこと等は今まさに北が打ち上げているし。)を語っていて改めて頭がいいし、強い信念もカッコイイです。有言実行の人で出来なければ責任を取るという信念の人だったが故最後は自決されましたが日本人の美しい精神を最後まで失わずに大和魂を持ちながら散ったまさに武士だと思います。ボディビルや武道に励んでいた理由も納得です。2016/03/27
双海(ふたみ)
30
学生の頃、三島をたくさん読んでいた時期がありました。その時のことを思い出しながら本書を読みました。「どうせ政治なんてその程度のものだ、という考えも私から抜けないのである」・・・自分の育ち、人生経験、出逢いなど様々な要因が複雑に絡み合って”偶然”に決定されるとしたら、私たちの政治思想、立場などおよそとるにたらぬものと思われましょう。2016/04/17
きよぽん
5
本屋さんで衝動買い。以前、著者の小説を読んで「三島由紀夫」とはどんな人物か気になった。最初に出てきた言葉「魂を振起するには行動しなければならない。動かない澱んだ魂は実は魂ではない」この言葉は心に響いた。 2016/06/08
-
- 電子書籍
- 未来へ……下 ハルキ文庫