目次
1 十八歳
2 花火なう
3 春を暮らす
4 柚子は黄に
5 三十一歳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
1
身近な出来事を起点にした句がまとめられているが、特に恋について詠った句はきらっと光っていて眩しい。「ゆず湯の柚木つついて恋を今している」「失恋を鰺の小骨を皿の隅」「マフラーに顔をうずめる好きと言おう」「着ぶくれて駅に着いてますとLINE」等が心に残った。それと同時に誰もが経験しているが、改めて言葉にするとはっとする情景や感情を詠った句も印象に残る。「思い出せば思い出多し春の風邪」「気を抜くと雨粒こぼす春の空」「いい風や刈られてつつじらしくなる」「白玉や今が過ぎては今が来て」2022/08/14