内容説明
コロナにより隔絶された現在と収容所に行き着いた一九三〇年代は通底していた―プリーモ・レーヴィの見続けた夢。スティーブ・ライヒの反復する音響。ピナ・バウシュの踊り続ける身体。ザクセンハウゼン強制収容所への旅から始まった臨床心理学者たちのホロコースト試論。
目次
はじめに 一九三六年と二〇二〇年
第1章 ホロコーストとかなしみ
第2章 ホロコーストの語られ方―強制収容所・記念碑・体験記というアート
第3章 語りに耳を傾けること―スティーブ・ライヒ、“ディファレント・トレインズ”に聴く
第4章 遊び、演劇、異界とのかかわり―一心理学者のフランクルとの対話
第5章 プリーモ・レーヴィの生きた夢
第6章 死者と共に在ること―心理学と舞踊、その接点
第7章 抑圧された忘却―アウシュヴィッツといわゆる“記憶の文化”
おわりに 愚かな人間の一人として
著者等紹介
猪股剛[イノマタツヨシ]
1969年生まれ。ユング派分析家、臨床心理士/公認心理師。帝塚山学院大学准教授。精神科や学校臨床において実践に携わるとともに、表現やパフォーマンスの精神性や、現代人の心理の深層を思索することを専門としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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