内容説明
過酷な運命を生きた巨人の生涯を、近代史を彩る珠玉のような事柄とともに描く、本邦初の本格的評伝。ロシア領リトアニアのポーランド貴族の家に生まれたピウスツキは、ペテルブルグ大学へ進学するも、皇帝暗殺未遂事件に連座してサハリン島へ流刑。そこで彼はギリヤークとアイヌの調査に従事し、アイヌ女性との間に二児をもうける。その後訪れた日本での多彩な人々との交わりは、われわれに明治日本の面影を生き生きと伝えてくれる。
目次
リトアニアの幼・少年時代
ペテルブルグ遊学と皇帝暗殺未遂事件
サハリン島流刑
ウラジオストク時代
サハリン島調査1
北海道調査旅行
サハリン島調査2
ロシア極東再訪
日本滞在
ピウスツキの観た日本と日本人
太平洋、アメリカ横断
ガリツィア時代
二葉亭四迷のペテルブルグ行
ヨーロッパ遍歴と死
その後のアイヌ家族
著者等紹介
沢田和彦[サワダカズヒコ]
1953年大阪府生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科ロシア文学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。新潟大学人文学部助手、埼玉大学教養部講師、同助教授、教養学部教授を経て、埼玉大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さえきかずひこ
16
リトアニア生まれの民族学者ブロニスワフ・ピウスツキの人となりを膨大な資料と愛情にもとづいて丹念に描き出す優れた評伝。長じてサンクトペテルブルク大学に学ぶが、皇帝暗殺未遂事件にかかわりサハリンに流刑され、ウラジオストク〜サハリン〜北海道を経て、1905年末に来日しロシア人革命家や二葉亭四迷を中心とした日本のインテリ層と深く交わる。翌年夏に日本を経ち米国を経てポーランドに戻るがロシアの脅威からウィーンへ。スイス、そして最後にフランスのパリで母国のために奔走するも精神を病みセーヌに投身する51年の生涯を知れる。2020/03/14
takao
0
ふむ2025/02/26