内容説明
晩年の思想的到達点。1980年代、バタイユに触発されてナンシーは『無為の共同体』を刊行し、ブランショは『明かしえぬ共同体』でナンシーに応答した。30年後、ナンシーはバタイユを再び取り上げつつ、亡きブランショへ本書で問いかける。コミュニズムの地平の彼方へと、ナンシーの共同体論は新たに歩み出る。本書をめぐるジェローム・レーブルとの対談を付す。
目次
第1章 「共同体、数」(『コミュニズム』という言葉;ハパックス(一回性)
さらに先へと進む
数量的な共同性)
第2章 「政治‐外」(実存(脱‐存 Ek‐sistence)
政治?
「直接的-普遍性」
超〔ウルトラ〕)
第3章 心あるいは法(伝達不可能なものの伝達;放棄;倫理とエクリチュールの間で)
第4章 成就された共同体(出口なし;複雑な構成;「何もしないこと」;「反社会的な社会〔結社〕」;「空虚な内奥」;「あなたが誰なのかを知っている」;暗黒の夜;聖体)
第5章 「本質的に逃れ去るもの」(曖昧な共同体;告白;否認;神話;共有〔分有〕なしに;作品、絆、クリナメン)