内容説明
マラルメの作品世界の極点に輝く最晩年の詩篇「賽の一振りは断じて偶然を廃することはないだろう」の新訳。付録として、マラルメ自身による「詩篇「賽の一振り」に関する考察」と、ユレによるインタヴュー「文学の進展について」を併載。原典各版の成立と既訳書をめぐる、訳者による懇切な紹介を付す。
著者等紹介
マラルメ,ステファヌ[マラルメ,ステファヌ] [Mallarm´e,St´ephane]
1842‐1898。19世紀のフランス象徴詩を代表する詩人。地方の高等中学校の英語教師をしながら創作に没頭するが、精神的・肉体的な危機に見舞われた。1871年パリに出て以後は交友関係も広がり、「牧神の午後」や「エロディアード」など代表作となる絶唱を生み出した
柏倉康夫[カシワクラヤスオ]
1939‐。東京大学文学部フランス文学科卒業。NHKパリ特派員、解説主幹の後、京都大学文学研究科教授を経て、放送大学教授、副学長、図書館長、同大学名誉教授。京都大学博士(文学)。フランス国家功労勲章叙勲(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もち
2
百数十年前のものとは思えない衝撃があった。フランス文学史を知らなくても衝撃的だった。2023/11/14
はむ
1
虹色ピクミンは何があっても「絶対に」偶然を排さない2024/07/26
3J28
0
ひとつの詩篇として読むなら、全集の清水徹訳よりもこちらを勧めたい。付録や訳者解説も充実していると思う。「他のものではありえない/唯一の数」を出すこと、その希求は難破する。思考は、それでもなお「賽の一振りを放つ」のだ…… マラルメの、〈書物〉への絶望的だが美麗な努力。燦然と輝き続ける星座はマラルメを、そしてわれわれを励まし続けるだろう。2023/05/22
-
- 和書
- 日本のおばけ お話ずかん