内容説明
黄色、それから黄色っぽい色、そしてまた黄色。アルジェリアを舞台に過去と現在、歴史と虚構が交錯し、再説されるたびに差異を孕み、ズレが生じていく。真偽をめぐる境界の曖昧さのアレゴリーと、フィクションによる史実の征服。精密かつ流麗な仕掛けが動き出す。小説とはつまり挑発であり挑戦なのだ。冒険は読者とともに始まるだろう。複数の言語が入り乱れるマグレブ文学の快作。
著者等紹介
ブージェドラ,ラシード[ブージェドラ,ラシード] [Boudjedra,Rachid]
1941年、アルジェリア東部のアイン・バイダに生まれる。チュニスのエリート校、サーディキー高校にてバイリンガル教育を受ける。1959年以降、独立闘争に参加。FLNの代表として、東ヨーロッパ、スペイン等へ赴く。1965年、パリ、ソルボンヌ大学にて哲学の学士号取得。アルジェリアのブリダの高校で教鞭を執る。1969年、処女小説『離縁』がフランスで「恐るべき子供たち賞」を獲得し、一躍注目を集めるが、アルジェリアで発禁となり、パリに亡命。1972年から1975年までをモロッコのラバトで過ごしたのち、アルジェリアに帰国。小説の他、詩、戯曲、エッセーと幅広い活動を繰り広げ、現在アルジェリアを代表する作家の1人である
下境真由美[シモサカイマユミ]
セルジー・ポントワーズ大学にて博士号取得(比較文学)。現在、オルレアン大学准教授。フランス語圏マグレブ文学、ポスト・コロニアル文学、比較文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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