内容説明
人にものをたのむことをしなければ、助けを請わなければ、生存がままならないという負い目を主体的に生きた、全身性障害者・新田勲。その強烈な「贈与の一撃」を介護者として自らの身体で受け取ってしまった著者が、公的介護保障の実現を求めて生涯、社会運動にかかわったその生の軌跡と、矛盾と葛藤に満ちた「福祉」の世界を描き切った渾身入魂の書。
目次
序章 福祉を贈与として立ち上げることは可能か
第1章 ある全身性障害者の自立生活
第2章 全身性障害者の自立生活運動と介護の贈与論的理解
第3章 支配の贈与を拒む―家族と施設における抑圧
第4章 贈与を与え返す―府中療育センター闘争をめぐって
第5章 相互贈与を求めて―他人介護のありか
第6章 相互贈与を可能にする条件―介護者たちの自立生活
第7章 相互贈与と疑似商品交換―全国公的介護保障要求者組合の分裂
第8章 考察―相互贈与としての福祉をめぐって
終章 返礼としての結論
著者等紹介
深田耕一郎[フカダコウイチロウ]
1981年生まれ。2012年3月、立教大学大学院社会学研究科博士課程後期課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員等を経て、立教大学社会学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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