内容説明
焼畑研究の指針を示した記念碑的名著の復刊。日本からほぼ消滅した農耕様式である焼畑。高度経済成長期、高知の山村でおこなわれていた焼畑の実態と、焼畑に支えられるむらの社会生活を描いた貴重な記録。焼畑農耕の本質を明らかにした代表的論文を併載。
目次
1 焼畑のむら(最終のむら;自然の把握;焼畑のくらし;生活の分析;むらを生きる ほか)
2 焼畑農耕の普遍性と進化―民俗生態学視点から(焼畑とはどんな農耕様式なのか;焼畑の五つの特徴;焼畑農耕の進化)
解説1 焼畑をする最後のむら・椿山の貴重なエスノグラフィー(小松和彦)
解説2 焼畑の核心を突いた記念碑的研究(佐藤廉也)
著者等紹介
福井勝義[フクイカツヨシ]
1943年、島根県生まれ。京都大学大学院農学研究科中退。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手、国立民族学博物館助教授、同教授、京都大学総合人間学部教授、同大学院人間環境学研究科教授を歴任。農学博士。2008年4月26日逝去。専門は文化人類学、社会生態学。日本および東アフリカにおける焼畑、半農半牧、牧畜社会での綿密なフィールド調査をもとに、人間と自然との関係を生涯をかけて追究した。とくにエチオピア西南部の牧畜民ボディの研究は、認識人類学のひとつの金字塔とも評される。共同研究や国際シンポジウムを数多く主宰し、日本ナイル・エチオピア学会の設立に尽力した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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